〜２０５〜 ページ12
すうっと何度か深呼吸してから、翔くんに向き直る。
『＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿翔くんが好きです』
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿言ってしまった。
もう戻れない。
引き返せない。
でもそれでいい。
自分を追い込んだほうがいいことに今更気付いたから。
「････具体的には？」
『･･･へっ！？』
「具体的にはどうなりたいわけ？」
『ど、どうって、いや、その、････も、もう一度恋人に戻れたらって･･･わ、私が言う資格はないけど、でも、』
「もういい」
翔くんは立ち上がってスマホを手に取った。
再び私の隣に座り直すと、大きくため息を吐いた。
「お前さぁ････遅いんだよ。何で取り返しのつかないことになってから言うかなぁ」
『っ･･･ごめん････』
「･･････智くんのこと」
ポツリ、と彼の名前を零す。
「もういいのか？執着してんじゃねぇの」
『ううん。智とはもうバイバイした。別々に暮らすことになったし、ちゃんと“友達”として接することにした』
「･･･俺が断ったらお前、一人ぼっちになるぞ？それでも？」
『翔くんとは関係なく、だよ。いずれこうなってただろうし･･･それに前より今のほうが、スッキリしてる』
「････そう」
そう。不思議とスッキリした気分になってる。
今までどうしてあんなに縋り付いてたんだろうってくらいに。
「俺のこと本気で好きなの？」
『うん』
「全部捨ててでも一緒になりたい？」
『うん』
「････嫉妬深くて、器小さくて、割と短気で、ヘタレで、家事出来ないけど。そんな男でも好きって言える？」
『もちろん。っていうか今更だよ。一年間、ずっとそばにいたんだから』
「･･･････じゃあ」
翔くんが目を伏せて体を寄せた。
心臓がうるさいくらいに鳴ってる。
確かにこの瞬間だけは、二人だけの世界に入っていて。
.
.
.
「いいよ。もう一回、付き合おっか」
『････････え？』
返ってきた答えは、考えもしなかったものだった。
････今、付き合おうって言った？
つまりオッケー貰ったってこと？
え？？
う、嬉しいけど、社長令嬢のこと好きなんじゃないの？
いろんな思いが頭を駆け巡る。
でもやっぱりそれ以上に嬉しさと愛しさが勝った。
「んだよ。お前が「恋人に戻りたい」つったんだろ」
ああ、神様。
夢じゃありませんように。
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とも(プロフ) - 智くん…頑張ったね（ＴＴ）しつこい様だけど…智くんと(;´д｀) (2020年5月6日 21時) (
レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - ともさん» 大野くんにはつらい選択をさせてしまったとは思いますが、これも彼なりに頑張って考えた答えということで・・・・しかし大野くんもこのままモヤモヤしたまま終わることは無いのでご安心ください！ (2020年5月6日 18時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - えー智くん(Ｔ＿Ｔ）智くん担の私的には…依存でもなんでも智くんと… (2020年5月5日 12時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - シャートさん» ありがとうございます！思った以上に長くなってしまいましたが、今回か次で終わらせる予定ですので、楽しみに待っていてくださると嬉しいです！ (2020年5月3日 16時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
シャート - 続編おめでとうございます！！これからどうなっていくのかがとても楽しみです！！これからも頑張ってください！！応援しています！！ (2020年5月3日 16時) (レス) id: 70b9e10207 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかづち
| 作成日時：2020年5月3日 15時
