〜２０４〜 ページ11
恐る恐る入ると、思わず声に出してしまうほどいい匂いが鼻をかすめた。
翔くんにしろ、社長令嬢にしろ、良い趣味してるなぁ。
「まぁ適当に座って」
『あ、うん』
すぐそばにあったソファに腰を落とすと、何故かそのすぐ隣に翔くんが座った。
･･････いや、止めよう。
彼はただ話を聞くために座っただけ。深い意味はない。
「で、さっきの言葉の意味聞きたいんだけど。ぶっ壊しにきたって本気？」
『っ、うん。ここまで来て、「伝えるだけでいい」とか「邪魔する気はない」とか言わない。最低な行為だろうけど周りの目なんか気にしないし、本気で覚悟決めたから』
いやそもそも、社長令嬢だって浮気してるんですけどね。
それは流石に言わないでおこう。
『まず最初に謝らせて。･･･あの時、翔くんの手を振り払ってごめんなさい。翔くんより智のほうが大事なんて言っちゃってごめんなさい。･･････翔くんを傷付けて、ごめん、』
じわ、と涙が滲む。
声に出せば出すほど、どれだけ翔くんを傷付けてきたか分かってしまう。
でもそれはちゃんと受け止めなきゃ。
『････翔くん、本当に･･･ごめんなさ、』
「長い」
私の言葉を遮って、たった一言だけ呟いた。
だけどその言葉とは裏腹に、ビックリするぐらい優しい声で。
「もっと単刀直入に言えねぇの？･･････あの時と全く同じ。本当変わんねぇのな、お前」
『え････？』
あの時、というと。
“････最初に謝らせて。･･･ずっと櫻井くんの気持ちを見て見ぬ振りしてきて････ごめんなさい。それで櫻井くんがどんな気持ちになるかぐらい、想像できたのに”
ああ、そういえば同じ謝り方してる。
その後は長々と謝罪を続けて････。
“････なげぇ。もっと単刀直入に言えねぇの？”
そう、そうやって翔くんは文句言ってた。
だけど私は恥ずかしいからって･･･そう言って緊張を誤魔化そうとしてた。
････懐かしい。
「A」
もう、本当にさ････ここで名前呼ぶのはずるいよ。
「どうしたいのか、どうなりたいのか。お前の気持ちを素直に言え」
『････』
「大丈夫。怒ったりしない。･･･言って？A」
私は母親に怒られてる小学生か。
････でも不思議。翔くんが「大丈夫」っていうと何だか本当にそう思えてくる。
これも惚れた弱みってやつかな。
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とも(プロフ) - 智くん…頑張ったね（ＴＴ）しつこい様だけど…智くんと(;´д｀) (2020年5月6日 21時) (
レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - ともさん» 大野くんにはつらい選択をさせてしまったとは思いますが、これも彼なりに頑張って考えた答えということで・・・・しかし大野くんもこのままモヤモヤしたまま終わることは無いのでご安心ください！ (2020年5月6日 18時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - えー智くん(Ｔ＿Ｔ）智くん担の私的には…依存でもなんでも智くんと… (2020年5月5日 12時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - シャートさん» ありがとうございます！思った以上に長くなってしまいましたが、今回か次で終わらせる予定ですので、楽しみに待っていてくださると嬉しいです！ (2020年5月3日 16時) (レス) id: 3d16d7b22a (このIDを非表示/違反報告)
シャート - 続編おめでとうございます！！これからどうなっていくのかがとても楽しみです！！これからも頑張ってください！！応援しています！！ (2020年5月3日 16時) (レス) id: 70b9e10207 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかづち
| 作成日時：2020年5月3日 15時
