イケメンは恋愛対象外です。～fourth～【ＳＳ】【ＯＳ】 (ページ49)

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数十分だけ寝させてもらったおかげか、酔いはほとんど醒めていた。

生田くんとママにお礼を言って、少しふらつきながらも帰り道をとぼとぼ歩いた。

“そんなことで悩んで泣いてる暇あったらさっさと告っちまえよ。”

ええ、分かってますとも。

痛いほど分かってんだよこんちくしょう。････何キャラよ私。

でもね、大人になればなるほどそれができなくなっちゃうんだよ。

そりゃあね？生田くんと同じ高校生の頃だったらできてたかもしれない。

子供って行動力すごいからね。
好き、付き合いたい、って気持ちだけで充分。動機になる。

だけど大人になっちゃうとさ･･･世間体だとか、仕事だとか、

色々なものが壁になってて、上るのもめちゃくちゃしんどいんだよ。

そう思うと、純粋なあの頃に戻りたい････。

あの頃が一番楽しかったかもしれない。

なんて、思い出にふけっていると

『････？あれ？』

ラブホに入っていくカップルが視界に入った。

もちろん、普段ならカップルなんて気にもしないんだけど･･･

『････････どういう、こと？』

そのカップルの片方が

社長令嬢だったからだ。

『な、何でここに！？え？』

まさか社長令嬢がラブホに入っていくところを目撃するなんて。

正直笑い話にもならない。

なんか損した気分だな、なんて肩を落とす。

･･････だけど、一番気になるのはその隣。

『あの男の人････』

.

.

.

相手は、翔くんではなかった。

知らない男の人。

だけど二人が離婚したなんて話は聞いてない。

････ってことは。

答えは簡単。

『不倫････』

二人は目撃されているとは知らず、ラブホ前でなにやらイチャイチャしている。

いや、中に入ってしなさいよ。

私は無意識にスマホを取り出し、バレないようにその様子を写真に収めた。

まさか社長令嬢が不倫してるなんて････！

や、だって新婚でしょ？たった四か月でしょ？

どうしてこんな････。

･････いや、それは後でいい。

まずはこれを翔くんに知らせないと。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿知らせて、どうするの？

冷静な私が問うた。

これが原因で別れたら？それで翔くんが傷付いたら？

････これ以上、翔くんを傷付けるつもり？

私はぎゅっとスマホを握って、その場を去った。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿止まっていた歯車が、動き始めた。