〜９８〜 ページ49
ただいま、と声を発しても返事は一切ない。
智がまだ帰ってきてないんだから当然なんだけど。
少し寂しいな、なんて。
翔くんと付き合うまでは智と一緒に帰ってたからかな。
私が先に帰ってるってことはほとんどなかったし。
･･･まぁいいや。
今日は特別に智の為に晩御飯を作っといてあげよう！
お礼に今度お昼ご飯奢ってもらおうっと。
････これも、いつも通り。
『今日は何作ろっかな〜』
無計画に動く癖どうにかしないとな、と冷蔵庫を覗いた時。
『････ん？』
冷蔵庫の隣にあるゴミ箱が視界の端に映った。
もちろん、ただのゴミ箱なら目にも留まらないんだけど
ゴミ箱の中には写真立てが捨てられていた。
昨日には無かったはず。
ということは今朝智が捨てたんだろうか。
『も〜、勿体ないなぁ』
見る限り傷もついていないし、どこかが折れてるわけでもなさそうだ。
なのに捨てるなんて････智が使わないなら私が貰おうかな。
って、流石に一度捨てられてる物を使うなんて汚い？
写真立てを手に取り、ひっくり返して
私は、その瞬間固まった。
そこには
.
.
私と智と、もう一人女の子が写っていたから。
『･････薫ちゃん････？』
中の写真を取り出してまじまじと見る。
人見知りで引っ込み思案だった私に話しかけてくれてた、薫ちゃん。
よく、「Aは可愛いよ」とか「私が守ってあげないと」なんて
言ってくれてたっけ。
幼稚園の時に交通事故で亡くなってしまったけど、
私達とすごく仲が良かった子だ。
何で智がこの写真を･･･？いや、それよりも。
何で捨てたの？大事にしてるんじゃないの？
どうして今更？
「ただいま〜」
『っ！』
智の声がして、慌てて写真立てをゴミ箱に戻す。
『おっ、おかえり！ごめん、まだ晩御飯できてないから先お風呂入ってて！』
「ん、分かった。ちなみに晩飯なに？」
『それは後のお楽しみ！行っちゃったらつまんないでしょ！』
「ええ？めっちゃハードル上がるけどいいの？」
智は笑いながらネクタイを緩めた。
写真立てのことを聞こうか迷ったけど、
何だか聞くのが怖くて止めた。
ねぇ、やっぱり智のこと全然分かんないよ。
何を思ってずっとこの写真を大事にとっておいたの？
その思いは声に出せず
くしゃりと古びた写真を握りしめた。
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とも(プロフ) - 佐倉ちゃん頑張れ！もう一押しだ(￣▽￣;)佐倉ちゃんには可哀想だけど…智くんの為に頑張って！ (2020年2月24日 8時) (
レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - 翔潤さん» コメントありがとうございます！彼女に寄り添い、そうして想ってくださってとても嬉しいです。まだまだ物語は続きますが、三人がどういった行動を取るのか、そしてどんな結末を迎えるのか、楽しんでいただけると幸いです！ (2020年2月16日 23時) (レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
翔潤(プロフ) - ここは、智くんが男気を出して、翔くんのもとに、送り出して欲しいなって。彼女の翔くんへの思い、紡いで欲しいって。勝手な事を書いて、本当に申し訳ありません。彼女の翔くんへの気持ちを思うと、どうしても投稿せずには、いられませんでした。 (2020年2月16日 22時) (レス) id: 2ca84f8a36 (このIDを非表示/違反報告)
翔潤(プロフ) - 初めまして。私としては、翔くんと結ばれて欲しいです。智くんと付き合っても、彼女の心の傷は癒えないし、どれだけ、智くんが言葉や態度で示しても、幼なじみだから、同情で付き合ってるんじゃないかって、疑心暗鬼になってしまうと思うんです。 (2020年2月16日 22時) (レス) id: 2ca84f8a36 (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - 私の、じゃなくて私もでした← 誤字・・・・ (2020年2月16日 16時) (レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかづち
| 作成日時：2020年2月8日 1時
