〜９２〜 ページ43
ふらついたせいで足がドアに強く当たる。
痛くはなかったけど、音が思ったより響いたために智がこっちに視線を移した。
しばらく見つめ合う。
････何この時間。何で見つめ合ってんの。
と思わずツッコミたくなるような光景。
智はこういう時のお決まりの「いつから！？」とか「帰ってたの！？」
とかも一切言わない。
ただじっと私を見つめていた。
そしてしばらくして、智はニッコリと笑った。
“いつも通り”に。
「おかえり。俺もさっき帰ってきたとこ」
『あ、ああ････今お隣さんに聞いたよ』
「あー、そういやエントランスで会ったっけな。んじゃ今から飯作るわ」
『う、ん････』
あまりにも普通。
しんどそうでもないし、私を見て気まずそうにするわけでもない。
佐倉ちゃんの話だとかなり具合悪そうってことだったのに。
『･････ねぇ、智』
「んー？」
『さっき佐倉ちゃんと話してたよね？仲･･･良いの？』
きっとあまり聞いてはいけない。
いつも通りにしてくれている智の努力が無駄になってしまうから。
だけどそれでも聞かずにはいられなかった。
「･･･聞いてた？」
『････』
静か黙って頷くと、智は「マジかー」と頭を掻いた。
「まぁなんていうか･･･他の後輩に比べたらよく一緒に居るけど････仲良いかって言われると微妙だなぁ。本当にちょっと親しい先輩後輩の関係って感じ？」
『･･･でも佐倉ちゃんは智のこと好きなんでしょ』
「あ、佐倉から聞いた？実は入社当時から「好きです！」って告白されてて･･･断ってはいるんだけど、何故か諦めないんだよねぇ」
『智の断り方が優しすぎるんじゃないの』
「ええ？割とはっきり言ってんだけどな。さっきも「お前のことそういう風には見れない」って･･･聞いてたでしょ？」
『言い方が優しすぎる。もっと突き放したら？』
「･･････晩飯、肉じゃがになるけどいい？」
･･･明らか話題変えた。
しかも私が返事する前に作り始めてるし。
やっぱり佐倉ちゃんのこと好きなんじゃん。
惚れない、とか、そういう風に見れない、とか言っといて。
それならさっさと付き合えばいいのに。
･････嫌だけどさ。
相手が佐倉ちゃんだから、とかそういうのじゃなくて
智が彼女を作るってこと自体が嫌だ。
『･･･今度、翔くんと遊園地に行くんだよね』
本当、こんなこと言って何になるんだか。
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とも(プロフ) - 佐倉ちゃん頑張れ！もう一押しだ(￣▽￣;)佐倉ちゃんには可哀想だけど…智くんの為に頑張って！ (2020年2月24日 8時) (
レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - 翔潤さん» コメントありがとうございます！彼女に寄り添い、そうして想ってくださってとても嬉しいです。まだまだ物語は続きますが、三人がどういった行動を取るのか、そしてどんな結末を迎えるのか、楽しんでいただけると幸いです！ (2020年2月16日 23時) (レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
翔潤(プロフ) - ここは、智くんが男気を出して、翔くんのもとに、送り出して欲しいなって。彼女の翔くんへの思い、紡いで欲しいって。勝手な事を書いて、本当に申し訳ありません。彼女の翔くんへの気持ちを思うと、どうしても投稿せずには、いられませんでした。 (2020年2月16日 22時) (レス) id: 2ca84f8a36 (このIDを非表示/違反報告)
翔潤(プロフ) - 初めまして。私としては、翔くんと結ばれて欲しいです。智くんと付き合っても、彼女の心の傷は癒えないし、どれだけ、智くんが言葉や態度で示しても、幼なじみだから、同情で付き合ってるんじゃないかって、疑心暗鬼になってしまうと思うんです。 (2020年2月16日 22時) (レス) id: 2ca84f8a36 (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - 私の、じゃなくて私もでした← 誤字・・・・ (2020年2月16日 16時) (レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかづち
| 作成日時：2020年2月8日 1時
