〜４８〜 ページ48
「そこまで脈ないとか、逆に笑えてくるわ」
真後ろから聞こえた声。
目の前の女の子は言葉を詰まらせた。
････智もそうだけど、なに？後ろに立つのが流行ってんの？
スタンド？？
割とビックリするし怖いから止めてほしい。
『････会話聞いてた？』
「一部始終聞かせていただきました」
ニッコリと爽やかな笑顔で横髪を耳にかける。
かっこいい。
････かっこいいけど、目の前の子からしたらそれどころじゃないな。
『この子後輩でしょ。どうにかしてよ』
「あ〜、ごめんなさいね。しっかり指導しとくから」
「さ、櫻井さんっ！？どうしてここに････」
「それはこっちの台詞なんだけど。今、仕事中だって分かってる？」
「あ、え、っと････」
「しょうもないことで抜けられると営業部全体に迷惑がかかるわけ。しかも君の教育係は誰？」
「･･････櫻井さん、です････」
「よくできました。ならさ、俺が忙しい身だってちゃんと理解してるはずだよね？なんなら君を呼びに来てるこの数分で一つの仕事がだいぶ進む。ちょっと一方的だったけど、俺が何が言いたいか分かる？」
「･････」
櫻井くんは女の子を見下ろしながら腕を組む。
指は苛立ちを表しているのか、トントンと規則正しく動いていた。
「大沢さんもわざわざ君の私情のために抜け出してる。営業部だけなら百歩譲っていいとして、人事部････他の部署にまで迷惑かけるって、もしそれで人事部が人手不足で満足に仕事ができなかったらどう責任取るつもりなの？」
みるみる女の子の顔が真っ青になっていく。
きっと今まで、優しい櫻井くんしか見たことがなかったんだろう。
常にニコニコして、怒ったりなんてしない人だって。
だけど実際のところ、櫻井くんは短気っぽいし
口も悪いし、雑だし。
櫻井くんが猫被っていたとはいえ、見破れなかった彼女にも
非はあると思う。
だから今あんなに説教されてる。
優しい櫻井くんならちょっとした注意で済むだろう、なんて安心するから
そんなに傷付く羽目になるんだよ。
というか上司ならそれくらい言うのが普通です。
「･･････」
「････黙ってないで何とか言えよ」
ごめんなさいとか、これからは気を付けますとかあるだろ。
彼は不機嫌そうにそう言って、ちっ、と小さく舌打ちした。
女の子はびくりと肩を震わせた。
あ、流石にこれはマズイ。
『櫻井くん、舌打ちはダメ。威圧的すぎる』
「････」
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みかづち(プロフ) - ねいさん» ありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです！これからも皆様に楽しんでいただけるようなお話にできるよう、頑張りますのでよろしくお願いします！ (2020年1月26日 2時) (
レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
ねい(プロフ) - みかづち様初めまして。小説の方、何度も読み返すほど、とても楽しく拝見させて頂いております。今後の展開がとても楽しみです。お忙しいとは存じますが、お身体の方大切になさって執筆の方頑張って下さい、応援しております。 (2020年1月25日 20時) (レス) id: 01e0d6e0af (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - うめさん» ありがとうございます〜！早く更新できるよう頑張ります^^ (2020年1月23日 22時) (レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - 愛梨沙さん» ありがとうございます！これからも頑張っていきます！！ (2020年1月23日 22時) (レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
うめ(プロフ) - 今、一番更新が楽しみです！ (2020年1月23日 20時) (レス) id: 789396462d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みかづち
| 作成日時：2020年1月18日 15時
