#9 ガス爆発 ページ9
トランクをよく見ると「マグル用」に切り替えられるダイヤルがなかった。
『ニュート、このトランクにダイヤルがついてないぞ』
ニュ「そんなはずは…」
『すまない、開けるぞ』
私はニュートの許可なくトランクを開けた。
トランクの中には菓子パンがぎっしり入っていた。
ニュートが心配そうに近づき、中身を見てショックを受ける。
グレイブスは困惑した様子だか、苦笑いする。
私とニュートとティナは顔を見合わせた。
〜*〜*〜
ニュートサイド
ニューヨークでA先生に会った。
久しぶりに会うのに、全然老けてない。
不老不死なのだから、年も取らないし老いもしないからそうだよね。
僕らはローワー・イースト・サイドの広い通りにいた。
僕のトランクはAが思ったとおり、僕のトランクじゃなかった。
早く本物の僕のトランクを見つけないと。
ティナがほとんど泣き出しそうな声で言う。
ティナ「どうしてあの人をオブリビエイトしなかったの！尋問になったら、私はもうおしまいだわ！」
ニュ「なんで君が？悪いのは僕なのに…」
ティナ「私、新セーレム救世軍に近づいちゃいけなかったの！」
ティナはそう言ったが、僕には何がなんなのかわからない。
Aは白い長い髪を隠すこともせず、僕の隣を歩いている。
すれ違う人たちがAの髪に何か言っている。
Aは興味がないのか、考え事をしているのか、僕にはわからないがずっと前だけ見て一人で進んでいこうとする。
ティナ「Aさん……A、こっちよ」
ティナはAの名前呼びにまだ慣れてないのか、ときどきAに向けて「さん付け」する。
まぁ、僕も「先生」と呼ぶくせは治ってないから僕もなんだけど。
ティナが角を指差すとAは角を曲がった。
そこには崩れた建物の前に人だかりがあり、大声で叫ぶ人もいれば急いで建物から避難する人もいた。
警官が一人、住民の不平不満に困りきっている。
『ん、なんだ』
やっと先生は言葉を出した。
主婦「おまわりさん！だから言ってるでしょ。またガス爆発よ。危なくて戻れないわ。子どももいるんだから！」
警官「でも奥さん、ガスのにおいなんてしませんよ」
放浪者「いんや、ガスなんかじゃねぇよ。おまわりさん、俺ぁ見たんだ。ありゃもんのすごい……でっかいカバ……」
僕は袖からそっと杖を取り出してマグルに向けた。
放浪者「……ガス。ガスだった」
すんでのところで間に合った。
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月兎 - はじめまして月兎です。ニュートに先生と呼ばれている主人公さん新しいですね。私もファンタビのお話を書いています。タイトルは"青き植物使いと魔法動物学者"です。性別は女性で600歳ですが、似ていますね。ファンタビのお話をもっと盛り上がって行きましょうね。 (2018年12月27日 11時) (
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作者名：食人鬼 | 作成日時：2018年12月25日 0時
