#45 コンファンダス ページ45
「十秒前」
ポートキー屋はそう言った。
ニュートがバケツに片足を入れる。
ニュートがジェイコブの手を握り、ジェイコブは私の手を握った。
ニュ「ほら、ジェイコブ」
『初めては楽しいよ〜』
ポートキーに引っ張り込まれながら、私はジェイコブにむけて言う。
ジェ「ウワーッ！」
視界が暗転する。
ぐるぐると巡り巡るこの何とも言えない感覚。
私はいつも姿くらましするから、ポートキーは使わないんだよね。
でも、いざ使うとやはり楽しい。
……そして。
私達はパリに来た。
ジェイコブは真っ青な顔で汗をかいている。
バケツを掴んだままだ。
初めてのポートキーはマグルにとって、気持ちが悪いものなのか。
ローブを着た女性像の前にフランスの警官が立っている。
……警官が邪魔だな。
そう思った矢先、ニュートが杖を出して警官に向けた。
ニュ「コンファンダス。錯乱せよ」
警官が酔ったようにがくんとよろめいた。
私はジェイコブを掴んで、ニュートとともに女性像を通った。
久々のパリの魔法界だ。
ニュートはトランクを下に置くと通りに杖を向ける。
ニュ「アパレ・ヴェスティジウム。足跡、現れよ」
追跡呪文が金色の渦となって現れた。
広場で起こった最近の魔法行為の跡を照らし出している。
私は金色の渦を見ながら少しばかり微笑んだ。
私の呪文が役にたって良かった。
ニュ「アクシオ・ニフラー！ニフラーよ、来い！」
トランクが開いてニフラーが一匹飛び出した。
ニュ「探せ」
ニフラーが手がかりを嗅ぎ出すために地面を這いつくばっている。
ニュ「これは河童だ。日本の水の妖怪___」
『ニュート、こっち』
ジェイコブがあっけにとられている。
私が指した方向にはズーウーの幻影がいた。
顔には傷跡があり、栄養失調でやせている。
ひどい虐 待を受けたのだろう。
『ズーウー……中国の魔法動物……一日に千里を走るのに、なぜここに……？』
ニュートに問いかけようとしたら、ニフラーが別の光る足跡を嗅ぎ回っていた。
私は指をおろし、ニフラーに近づく。
ニュ「いい子だ。先生、ジェイコブ、ティナはここに来たんだ。ここに立ってた。足の幅がこんなに細いって気づいてた？」
ジェ「気づいてたとは言えないな」
地面から視線を上げると、誰かの幻影が。
ニュ「そして誰かが彼女に近づいた」
ニュートは地面に落ちていた羽根を拾い上げた。
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月兎 - はじめまして月兎です。ニュートに先生と呼ばれている主人公さん新しいですね。私もファンタビのお話を書いています。タイトルは"青き植物使いと魔法動物学者"です。性別は女性で600歳ですが、似ていますね。ファンタビのお話をもっと盛り上がって行きましょうね。 (2018年12月27日 11時) (
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作者名：食人鬼 | 作成日時：2018年12月25日 0時
