#34 お互い様 ページ34
グリンデルバルドはマクーザの地下に監 禁されたらしい。
フランクは無事にアリゾナにたどり着けただろうか。
私は紅茶を飲みながらまた考え事をしている。
考え事というのは頭の中を整理するために考えるという。
口に出してブツブツと独り言を言う人は変人、と言われがちだが、あれは頭の中を整理しているのだ。
それに、睡眠というのもある。
人間は一日寝ないだけでも脳に重い負担をかけるついでに、頭の中が整理できない。
なぜ人間が睡眠を取るのかというと、頭の中を整理するために寝るというのが考えられる。
だからこうして私も___
「A、聞いてる？」
目の前に座る彼は眉を釣り上げて私にたずねてきた。
私は右手の頬杖をやめて、左手の紅茶の入ったカップを置いた。
「また考え事？」
『また、とはなんだ。またとは』
少し笑いながら私は目の前に座る生徒に言う。
『いつでも考え事をしてるよ』
「初めて会ったときも森を見ながら考え事をしてたね」
『考えることが好きだから、考えるの……それより、生徒はちゃんと授業受けてる？みんな怪我してない？』
「心配性だな、Aは。みんな健康に過ごしてるさ」
『良かった……生徒が健康なら、私はもう死んでいいや』
「私は死ねないって初めて会ったときと同じセリフだな……A、休暇取ったくせに一週間もしないで、しかもニューヨークにニュートを置いてホグワーツに帰って来るなんて、少しくらい彼のことも」
『考えてやれ、でしょ？』
はぁ、とため息をつかれた。
「だいたい、一日一回ホグワーツにいる私に生徒の情報を求めるのは過保護すぎるというか……年齢は祖母以上だったな」
『だれが祖母だ。これでも見た目は20代をキープしてるんだぞ。見た目は』
「でも記憶力は？」
『衰えないようにこうしていつも考え事をしているんだ』
ちら、と時計を見ると夜遅い時間。
彼は苦笑しながら私に言う。
「もう寝なさい、と次は言うのかな？それを言うならAも寝なさい。肌に悪いぞ」
苦笑した彼___アルバスにつられて私も笑った。
『アルバスもね』
ダン「お互い様だ」
席から立つとカップを消して深夜の誰もいない廊下を二人で歩いた。
ダン「そういえばおみあげは？」
『あるよ』
微笑んだアルバスはまだ子供だな、と思いながら私は杖先に灯りをつけて二人で深夜のホグワーツを見回りに行った。
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月兎 - はじめまして月兎です。ニュートに先生と呼ばれている主人公さん新しいですね。私もファンタビのお話を書いています。タイトルは"青き植物使いと魔法動物学者"です。性別は女性で600歳ですが、似ていますね。ファンタビのお話をもっと盛り上がって行きましょうね。 (2018年12月27日 11時) (
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作者名：食人鬼 | 作成日時：2018年12月25日 0時
