#32 サンダーバード ページ32
闇祓いたちを掻き分けて前に出てきたのはクイニーとジェイコブだった。
ニュートのトランクを持ったジェイコブは、トランクをニュートに差し出した。
ジェ「なあ……これ、誰かが見張ってなきゃと思って」
ニュ「ありがとう」
セラフィーナが地下鉄駅の壊れた屋根から外の世界を見ながら、全員に向かって言う。
セラ「スキャマンダーさん、あなたには申し訳ないことをしました。でも、魔法界の存在が知られてしまったのです！街の全員をオブリビエイトすることはできませんし……」
ニュ「そうでもない。できますよ」
ニュートは穴が開いた天井の下にトランクを置くと大きく開いた。
大きな疾風をともなって、突然サンダーバードが飛び出した。
力強く羽ばたいて頭上に浮かぶ姿は美しい。
ニュ「アリゾナに着いてから出すつもりだったけど……フランク、今はお前だけが頼りなんだ」
ニュートは腕を伸ばす。
サンダーバード……フランクはくちばしを押し付けて愛情を示している。
二人は愛しげに顔をすりよせる。
ニュ「僕も寂しいよ」
ニュートがポケットからガラス瓶を取り出した。
あぁ、あれはスウーピング・イーヴルの毒液か。
たしか強い忘却作用だったはず。
ニュ「あとは分かってるね？」
ニュートがガラス瓶を空高く放り上げる。
フランクが鋭く一声鳴いて、それをくちばしにくわえるとすぐさま地下鉄から天へと舞い上がった。
ニュートが全員に話しかける。
ニュ「みんな何も覚えていませんよ。あの薬には強い忘却の作用があるんです」
セラ「あなたに大きな借りができましたね、スキャマンダーさん。さあ___カバンを持ってニューヨークから出ていってください」
ニュ「分かりました、議長」
セラフィーナが闇祓いたちと出て行こうとした。
クイニーがジェイコブを守るように前に立つ。
セラ「そこにまだノーマジがいるわね？オブリビエイトしなさい。例外があってはなりません。悪いけど___目撃者は一人も残せないわ……法は法ですから。お別れを言うのを許しましょう」
全員の落胆ぶりを見て気の毒に思ったのか、それだけ告げるとセラフィーナは立ち去ってしまった。
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月兎 - はじめまして月兎です。ニュートに先生と呼ばれている主人公さん新しいですね。私もファンタビのお話を書いています。タイトルは"青き植物使いと魔法動物学者"です。性別は女性で600歳ですが、似ていますね。ファンタビのお話をもっと盛り上がって行きましょうね。 (2018年12月27日 11時) (
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作者名：食人鬼 | 作成日時：2018年12月25日 0時
