#4 金庫 ページ4
『ニュートかい？』
「えっ、なんで、僕の名前を……僕たち、初対面じゃ……」
そうか、私が黒髪だからわからないのか。
『A・エラレスだよ。懐かしいね』
ニュ「A……A？だって、髪が……あ、そっか」
ニュートは理解してくれたようで、視線を私から金庫へと向けた。
『頑丈そうな金庫だね』
ニュ「開けられる？」
『簡単さ……アロホモーラ。開け』
金庫の扉は簡単に開いてしまった。
中を見るとそこにはニフラーがたくさんのお金をポケットに入れていた。
ニュートはニフラーを掴むと逆さまにしてニフラーが盗んだお金を吐き出させる。
私はニフラーが盗んだお金を元通りにすべく、きれいにもとの場所に戻していく。
後ろの男性を見るとぽかんとしている。
この人はマグルか、と察した。
ニュートはお金を全部吐き出したニフラーを掴むと金庫の中から出た。
私が金庫の扉を閉じるとニュートが私の腕を掴み、私はマグルの男性の腕を掴み、一緒に姿くらましして何事もなかったかのように逃げた。
姿現わしした場所は路地のようだ。
ニュートが持っていたトランクを置いてその中にニフラーを入れながら私に問う。
ニュ「こら、暴れるな……先生は、なんでニューヨークに？」
『休暇で来た。ニュートは……まぁ、察したよ』
たぶん魔法動物のためにここに来たのだろう。
しかし、こんな偶然あるのだな。
それに、私のことを「先生」と呼ぶ生徒はたくさんいるからあまり追求しないが。
『ニフラーを逃したんだね』
ニュ「これは、あの……ちがくて」
ニュートがトランクにニフラーを入れ終わり、私にことの経緯を話そうとしたらマグルの男性がニュートの頭を持っていたトランクで殴った。
ニュートが殴られた衝撃で私のほうに倒れかかる。
私はニュートを支える。
マグルの男性が一言、私達に謝罪すると足早に去っていく。
『ニュート、大丈夫か？』
ニュ「うん、大丈夫……」
ニュートを立たせ、立ち去ったマグルの方へ視線を向けたがもうそこには誰もいなかった。
体に似合わず、今のマグルはすばしっこいのか。
人間界にあまり私はこないので、今のマグルがどんなことをしているのかは新聞でしか読んでいない。
そのため、私は勝手に考えて解釈してしまう。
話すだけ話したら忘却呪文をかけようかと思ったが、立ち去ってしまったのなら他のマグルを探すとしよう。
……しまった。
忘却呪文をかけてない！
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月兎 - はじめまして月兎です。ニュートに先生と呼ばれている主人公さん新しいですね。私もファンタビのお話を書いています。タイトルは"青き植物使いと魔法動物学者"です。性別は女性で600歳ですが、似ていますね。ファンタビのお話をもっと盛り上がって行きましょうね。 (2018年12月27日 11時) (
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作者名：食人鬼 | 作成日時：2018年12月25日 0時
