#30 愚か者 ページ30
オブスキュラスの動きが止まった。
ティナ「もうやめて___お願い」
ニュ「ティナ、声をかけ続けて。君の言うことなら彼に届く。あの子は聞いてるよ」
オブスキュラスの中で、クリーデンスはティナに助けを求めている。
ティナ「あの女の仕打ちは知ってるわ……つらかったでしょう……こんなことはもうやめて……ニュートとAと私があなたを守るわ……」
グレイブスが立ち上がった。
ティナ「その男は……あなたを利用してるのよ」
グレ「耳を貸すな、クリーデンス。君を自由にしてやる」
オブスキュラスは縮み始める。
クリーデンス自身の顔に戻りつつある。
突然、闇祓いたちが大挙して構内への階段からトンネルに入ってきた。
ティナの背後に大勢の闇祓いが攻撃的に杖を構えて近づいてくる。
ティナ「シー！やめて！怖がらせないで」
オブスキュラスが恐ろしいうめき声をあげて再び膨れ上がり始める。
私はクリーデンスを守るために立つ。
ニュートとティナも立つ。
グレイブスが杖を構えて闇祓いたちに対峙する。
グレ「杖を下ろせ！手を出すな！彼を傷つけたりしたら___私が許さん___クリーデンス！」
ティナ「クリーデンス……」
助けを求める声が聞こえた。
子供の声。
『クリーデンス……』
闇祓いたちがオブスキュラスに呪いを浴びせ始めた。
グレ「よせ！」
誰かが手を下さないといけなかった。
死者を出すために分けたんじゃない。
ニュ「先生、先生！___A！」
ニュートが私を呼んだ。
困惑した表情で私に答えを求めている。
言葉とは、災いである。
ときに人を癒やす薬にもなる。
ときに人を殺める薬にもなる。
私があみ出した呪文。
『クリーデンス！』
オブスキュラスはついに内破したようだ。
破壊の衝撃でみんなのけぞって倒れる。
残ったのはちぎれちぎれになった黒い物質だけ。
クリーデンス……あなたの声が雑踏になってしまった。
ニュートの顔には深い悲しみが滲んでいる。
ティナは倒れたまま泣いている。
グレ「愚か者たちめ。何をしたか分かっているのか？」
グレイブスが怒っている。
セラフィーナが闇祓いたちの背後に現れ、厳格な口調で反問しだすのを私は黙って見ている。
セラ「グレイブス長官、オブスキュラスを生む者は殺せと、私が命じました」
グレ「ええ、議長、あなたの今夜の行いは歴史に残るだろうな」
グレイブスはプラットフォームをセラフィーナのほうに歩いていく。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 114人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月兎 - はじめまして月兎です。ニュートに先生と呼ばれている主人公さん新しいですね。私もファンタビのお話を書いています。タイトルは"青き植物使いと魔法動物学者"です。性別は女性で600歳ですが、似ていますね。ファンタビのお話をもっと盛り上がって行きましょうね。 (2018年12月27日 11時) (
レス) id: 77e594bc29 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：食人鬼 | 作成日時：2018年12月25日 0時
