#19 非日常的 ページ19
私の周りにだけ水を作り、体と服を洗うと乾かした。
水を消してニュートたちがいるところへ向かう。
『匂い取れたかな？』
ニュ「ん……取れてる」
良かった、と笑うとニュートも苦笑いした。
おだんごにしていた髪を解くと、杖の先で風をおこして髪を乾かす。
ジェイコブがまたキラキラした表情を私に向けた。
『そんなに気になるの？』
ジェ「そりゃあそうだろ！」
私達にとって魔法は日常的なものだが、マグルにとっては摩訶不思議な非日常的なのだから、ジェイコブの反応は普通なのだろう。
ニュートは魔法動物たちのところに行ってしまった。
ジェイコブが私に話しかける。
ジェ「じゃあ、物を浮かせるとかできるのか？」
『もちろん。やって見せようか？』
ジェイコブは無邪気な子どものようにうなずいた。
風をおこすのをやめて、椅子を浮かせる。
空中で椅子を回転させるとジェイコブが拍手してきた。
『普通は声に出して呪文を唱えるんだけど、私みたいな上級者は無言呪文っていって、心の中で唱えてこのように浮かせることができるんだ』
ジェ「上級者……」
『そうだよ』
私は椅子を回転させるのをやめた。
『オーキデウス。花よ』
私は花を咲かせた。
ジェイコブにあげる。
ジェ「くれるのか？」
『うん。いやなら捨ててもいいよ。ちなみにその花の名前はアネモネ。花言葉はたしか「薄れゆく希望」だったはず』
ジェ「アネモネ……」
赤い花のアネモネ。
『他に見てみたい魔法とかってある？あ、死んだ人を生きかえらせるっていう魔法はないよ。死には逆らえないからね』
吟遊詩人ビードルにでてくる「バビティ兎ちゃんとペチャクチャ切り株」を思い出した。
蘇りの石とかあったら生き返らせることは可能だけど、今言うべきではないか。
ジェ「魔法って、便利だな」
『そうでもないよ。使い方を間違えれば人体に損傷を与えたり、相手の命を奪ってしまうことがあるんだ』
ジェ「へー……そんなこと、俺に話していいのか？」
『なんだろう。最初は警戒してたけど慣れちゃった。それに、ジェイコブにマグルの社会や生活について聞きたいんだ』
ジェ「社会？つまり、世界について？」
『うーん、そんなとこかな。簡単でいいよ』
ジェイコブはうなずくと話してくれた。
ニュートもやってきて、二人でジェイコブの話を聞いていた。
そのとき、ノック音がトランク内に響き渡った。
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月兎 - はじめまして月兎です。ニュートに先生と呼ばれている主人公さん新しいですね。私もファンタビのお話を書いています。タイトルは"青き植物使いと魔法動物学者"です。性別は女性で600歳ですが、似ていますね。ファンタビのお話をもっと盛り上がって行きましょうね。 (2018年12月27日 11時) (
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作者名：食人鬼 | 作成日時：2018年12月25日 0時
