episode12 ページ12
*you side
私はこのチケットをどうすればいいのだろう。
無かったモノとして捨てちゃう？
...それは流石にダメな気がする。
だからって私が行くのはもっとダメ。
行かないまま取っておく？
それは用意してくれた場所を空けるって事だよね...
どうしたら良いのかな...
仕事を終えて
部屋で一人天井を見つめてはため息が出る。
自宅に着いてからその繰り返しで
気付けば夕飯も取らないまま時刻は21時を過ぎていた。
ブブブ...
「誰...？」
テーブルに置いていたスマホのバイブ音で
我に返り、慌てて画面を確認すれば
サトヤスさんの名前が表示されていて。
胸騒ぎがする。
「はい、もしもし？」
「おーAちゃん！久々だね！元気にしてた？」
「はい...サトヤスさんは忙しくされてるみたいですね」
懐かしい声。
サトヤスさんがいたから
あの時、洋平と付き合えたんだったよね。
凄くお世話になったこと覚えてる。
「おー活動みてくれてるのー？」
「はい、インスタの更新とかで...」
「そかそか...あのさ、突然だけど会えたりしないかな？」
「え！？今からですか？」
「今からでも俺は良いんだけど、行けるの？」
サトヤスさんにチケットの事を相談してみようかな。
刻々と迫る時間でずっと悩んではいられない。
「大丈夫です。今から用意して出ますね」
「了解ですー！そしたらまた場所はLINEするね」
「分かりました、ではまた後で」
通話を終わらせ
鞄に入れたままのチケットを確認して
出かける用意を始めた。
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作者名：まるのうち | 作成日時：2022年9月23日 23時
