あがかげ【忍たま】2

11恩 ページ11

医務室として使う部屋では保健委員が薬草を仕分けていた。





「Aさんも薬草に興味が？」





「...いや、」






ここにいるのは森へ行った3人に頼まれ護衛についているからだ。




夕刻、中在家に言われたのはこちらの戦闘態勢を削ぐため、忍びが侵入し攻撃を仕掛けて来るかもしれない。

村の奥のお堂は目が届きにくい保健委員の近くにいてくれと言われたのだ。





柱にもたれかかりながら座り保健委員の話をぼーっと聞いていた。



ウトウトと今にも眠りそうな乱太郎に善法寺が気づき




「乱太郎、左近と数馬を起こして交代してもらってくれ」






「ん、ふぁい..」





閉じつつあるまぶたを必死に開け、立ち上がり外へ出ようとした時
乱太郎はつまづいたのだが、転ぶことなく誰かに支えられた。






「？！」







影からの突然の気配に刀を構え、戦闘態勢をとる。


こいつ、気配を感じにくい。目を細め相手を睨む。






「雑渡昆奈門さん！？」







「.....」









「だ、大丈夫です！戦前に雑誌昆奈門さんは卑怯なことはしない人です！」






なぜか私がなだめられている状況。


そういえば、知り合いと言っていたか。
善法寺の言葉を聞き、刀を置いて再び腰を下ろす。






その姿を見て読み取れない表情をした相手は視線を保健委員に戻し







「夏休みの間、君に世話になった」







柱にもたれ、Aは2人の会話を静かに聞く。







「タソガレドキ忍者隊は園田村との戦いには手を出さん。これが私の君への礼だ」







「あ、ちょっ、」






善法寺は後を追いかけるように立ち上がり追う。





外へ飛び出した忍びに驚いた左近と数馬が落とし穴に落ち、
善法寺は階段から足を踏み外し松明を踏み、落とし穴に落ちてしまった。






ゆっくりと外に出れば







「...不運委員だな..」







と呟き、雑渡昆奈門が去っていった方を眺めた。

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