第23話 ページ23
泣いていたAを落ち着かせた後、何事も無かったかのように人形で遊び出したのを見て、偶には公園にでも連れて行こうと外に出た。
平日の昼間、公園には小さい子連れの親子が居るだけで、視聴者にバレる心配も無い。
皆で水遊びした木の下にしゃがみ込み、細い枝を持って土を掘っているらしい後ろ姿をカメラに収める。
マサイ「お嬢、何してんの」
『んーっ』
マサイ「あららら、まだ機嫌が悪いみたいですね」
Aの隣にしゃがむと邪魔をするなと愚図り始める。
これが噂の「イヤイヤ期なのだろうか」と同じように持っていた枝を置き、黙ってカメラマンを務めていると、自分達を呼ぶ声がした。
『あっ!ぺえー!』
マサイ「あれ、どうしたぺけ」
ペケ「シルクに聞いて用事終わったから来た」
シルクの家に向かう途中二人を公園で見付け走ってきたらしい。
久し振りのぺけたんにAは上機嫌に抱っこを強請る。
ペケ「よいしょ、重くなったねぇ」
『ぺぺぺ』
マサイ「ん?」
ペケ「ん?どした?」
マサイ「あー、分かった」
ペケ「何が?」
ぺけたんと話すAを見てマサイはある事に気付いた。
最近思い通りにいかないと愚図ったり甘えて来たりする理由。
マサイ「「イヤイヤ期」じゃなくて「赤ちゃん返り」かお前」
『う?』
ふにふにと頬を優しく摘んで目を合わせる。
何でも自分でやりたがっていたAが急に赤ちゃんのように甘えだしたのは、シルクが満足に構ってあげられていない故の赤ちゃん返りだった。
ペケ「なる程ね、最近忙しくてピリピリしてたもんなー」
マサイ「よし、仕方ねぇ。今日はお嬢の日にしよう」
ペケ「よーし、A何で遊ぶー?」
『あっち!』
ペケ「滑り台ね」
マサイ「お嬢、マサイ写真撮るからちゃんと可愛い顔してね」
『う!』
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作者名:憐 | 作成日時:2018年7月13日 4時