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#43
side_Kyomoto
きっかけは本当に些細な事で、
冷静になって考えればしょうもない事だった。
楽屋で北斗がジェシーとあまりにも楽しそうに
話しているから、少し嫉妬して俺はわざと
ポットのお湯で火傷をした。
カップ麺を作る際に少しズラしてお湯を出し、
手の甲に注いでみた。
そしてそれに真っ先に気がついたのが…
「…きょも？！手！！」
樹。
樹のその声でようやく北斗の意識が俺に向いて、
俺はつい北斗に笑顔を向けてしまった。
それがマズかったようで、
北斗の顔はキリッと険しくなり、
俺の手を強引に掴み楽屋から連れ出す。
そしてトイレに連れ込まれ、
無言でひたすら俺の手を流水で冷やしてくれた。
そして冷やしながら、ようやく口を開いた時には
北斗は少し悲しそうな顔をした。
「わざとでしょ？」
図星をつかれた俺は何も言い返すことができず、
ただ北斗から視線を逸らす。
「大我」
でも、北斗の低く重いトーンの声に込められた
真剣さからは逃げられなかった。
「…だって、
北斗がジェシーと楽しそうにしてたから」
「……はぁ。だからってこんなことしなくても…」
「別に痛くも熱くもないもん」
「あのさ、そうゆう問題じゃなくて…」
あくまで冷静に、まるで親のような口調の北斗に
なんだか腹が立って、俺の脳内で何かがプツンと
音を立てて切れた。
「なんなの？！
北斗、俺の気持ちなんてわかんないくせに！」
「…はぁ？どうした急に…落ち着けよ」
「腹立つ！
なんかもう、その冷静な感じも腹立つ！」
今思えば、俺の怒り方はまるで小学生が無意味に
癇癪を起こしているみたいだった。
でも、俺はとにかく必死で、どうしたら北斗の
気持ちを荒ぶらせることができるかを考えた。
でも、結局答えは出なくて、
俺は悔しさからの涙を堪えて
トイレから駆け出した。
後ろから北斗の呼び止める声が聞こえたが、
それすらも今はイライラの原因となった。
楽屋に戻り、そそくさと帰る準備をする俺に
メンバーは誰も話しかけなかった。
そっとしておく…という、
一番俺が求めていた対応をしてくれた。
北斗にももちろん腹が立つけど、
メンバーに気を使わせた自分に、一番腹が立った。
．
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コロ - もう、、、好きです( ；∀；) (2020年6月6日 19時) (
レス) id: 813d843498 (このIDを非表示/違反報告)
ジャス民茉莉花.@ナナイロノマホウ 。*(プロフ) - 多文、失礼致しました...！新作も読ませて頂いております！更新、ゆっくりで宜しいので楽しみに待っております♪ (2019年6月6日 17時) (レス) id: 41f8bed30c (このIDを非表示/違反報告)
ジャス民茉莉花.@ナナイロノマホウ 。*(プロフ) - きょもほくは、私の知るカップルの中で一番“美しい”カップルだと思っております。無痛症、患われてる方は本当に大変な思いをされていますよね...。あまり馴染みのない病かもしれませんが、症状等知る事が出来て良かったです。 (2019年6月6日 17時) (レス) id: 41f8bed30c (このIDを非表示/違反報告)
ジャス民茉莉花.@ナナイロノマホウ 。*(プロフ) - さいかさんらしい、丁寧で知的な文章に引き込まれる様に読み進めていたら、いつの間にか終わりにまで到達していてビックリしました笑 本当に面白い作品ってそういう事多いんですよね...。 (2019年6月6日 17時) (レス) id: 41f8bed30c (このIDを非表示/違反報告)
ジャス民茉莉花.@ナナイロノマホウ 。*(プロフ) - 初めまして！このお話読ませて頂きましたが、めちゃくちゃ面白かったです...！さいかさんの作品大好きで、オススメに出てきてたまたま開いた作品がまさかのさいかさんのデビュー作だったと知った時は...。衝撃的でした笑 (2019年6月6日 17時) (レス) id: 41f8bed30c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さいか
| 作成日時：2019年2月3日 23時
