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side_Kyomoto
それから俺たちは動物園のあちこちを巡り、まるで
子どものように楽しんだ。
｢大我、ふたりで写真撮ろ｣
｢いいよ｣
写真を撮ると、北斗は嬉しそうにその写真を
見つめる。
｢これ、メンバーに送りたいな｣
｢え、バレちゃうよ?｣
｢だって…俺の恋人だぞって、自慢したい｣
北斗はテンションが上がりすぎて、普段
言わないようなほんのり恥ずかしいことを
サラッと口にする。
｢ダメだよ。
これ、北斗だけにしか見せない顔だから｣
だから俺も対抗して、普段言わないような少しだけ
かっこつけたことを言った。
すると北斗はわかりやすく照れて、
黙ってその写真をホーム画面に設定していた。
単純で可愛いな…
｢あ、ライオン！｣
動物園の醍醐味であるライオンを見つけると、
北斗は走って行ってしまった。
俺も走って行こうと思い足を踏み出した途端、
またもや視界が揺れた。
そして、追い討ちをかけるように激しい頭痛に
襲われる。
｢…大我?｣
立ち止まる俺に気がついた北斗が引き返してきた。
｢大丈夫｣と言いながら思い北斗の顔を見上げた時、
俺はこの目眩と頭痛の原因がわかった。
北斗が汗をかいている。
確か今朝のテレビで、
今日は暑くなると言っていたな…
俺は大事なことを忘れていた。
俺は、無痛症なんだ。
他の人とは…北斗とは、違うんだ。
無痛症の大きな症状が、痛みや温度という感覚が
なくなること…そして、もう1つ。
それが、発汗の低下。
俺は汗をほとんどかかない。
そのせいで自分の体温すらコントロールできない。
さっきの目眩と頭痛もそのせいで、
たぶん軽い熱中症になっている。
北斗との楽しい時間に隠れて、俺はそのことを
すっかり忘れていた。
｢具合悪いなら休む?｣
｢いや、ほんと、大丈夫だ、か…ら……｣
あれ、おかしい。
目の前が真っ暗になる感覚、そして、足から全ての
力が抜ける。
体が地面に打ち付けられる衝撃が全身に走った。
｢大我!?…大我!｣
俺の名前を呼ぶ北斗の声。
返事をしなきゃ…でも、声が出ない。
そして、そこで俺の意識は途絶えた。
.
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コロ - もう、、、好きです( ；∀；) (2020年6月6日 19時) (
レス) id: 813d843498 (このIDを非表示/違反報告)
ジャス民茉莉花.@ナナイロノマホウ 。*(プロフ) - 多文、失礼致しました...！新作も読ませて頂いております！更新、ゆっくりで宜しいので楽しみに待っております♪ (2019年6月6日 17時) (レス) id: 41f8bed30c (このIDを非表示/違反報告)
ジャス民茉莉花.@ナナイロノマホウ 。*(プロフ) - きょもほくは、私の知るカップルの中で一番“美しい”カップルだと思っております。無痛症、患われてる方は本当に大変な思いをされていますよね...。あまり馴染みのない病かもしれませんが、症状等知る事が出来て良かったです。 (2019年6月6日 17時) (レス) id: 41f8bed30c (このIDを非表示/違反報告)
ジャス民茉莉花.@ナナイロノマホウ 。*(プロフ) - さいかさんらしい、丁寧で知的な文章に引き込まれる様に読み進めていたら、いつの間にか終わりにまで到達していてビックリしました笑 本当に面白い作品ってそういう事多いんですよね...。 (2019年6月6日 17時) (レス) id: 41f8bed30c (このIDを非表示/違反報告)
ジャス民茉莉花.@ナナイロノマホウ 。*(プロフ) - 初めまして！このお話読ませて頂きましたが、めちゃくちゃ面白かったです...！さいかさんの作品大好きで、オススメに出てきてたまたま開いた作品がまさかのさいかさんのデビュー作だったと知った時は...。衝撃的でした笑 (2019年6月6日 17時) (レス) id: 41f8bed30c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さいか
| 作成日時：2019年2月3日 23時
