忘却1日 ページ13
「Aッッ!!
貴方何してるんです?!!勝手にいなくなってッ!どれだけ心配したと、!!
このまま水の中にいれば、身体が冷えてしまいます!!」
『ジェイ…ド、?』
あれ、口が勝手に…
「貴方…名前を…!!」
驚いた顔をした。
名前って?今言ったのがあなたの名前?
…名前、名前?
僕…
『名前…名前…?
あ、れ…?僕の名前は…?』
「…A、僕は貴方に言わないといけないことがあったんです。」
どんどん泡になるように端からほつれるように消えていってしまう自分の体に不思議と違和感も痛みもなくて、しかしちゃんと目の前の彼の話は聞いていないと行けない気がした。
誰だか分からない彼の話を、わからなくなってしまった自分の大切なものなんだと思えば不思議と腑に落ちた。
きっと、忘れたらいけなかった人。
忘れちゃダメな人だったんだと思う。
もう、わからなくなった僕の最期の追悼だと思って聞き届けるね。
待ってて僕。
"『ジェイド…僕ッ__________。』"
勇気を出した僕の声がした。
「ッ…!!
ッ遅いなんて関係ないです!!!
そんなの、知りませんッ僕達の間にはそんなの関係ないですッッ!!
貴方が、好きじゃなかったなのに、貴方が優しく声をかけて愛おしそうな瞳を向けて、そんなのだからッ…僕は、貴方の声が染みついてもう離れないのに、離れたくないほどに、大好きなのにっッ!!」
思ってたより知らない僕は愛されていたみたいだ。
「…大好きです。貴方が。
愛しています。貴方を。」
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作者名:MeyA | 作成日時:2020年6月22日 7時