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蛍の家 ページ10

貴「…夏目くんは、妖怪が嫌い?」


夏「……」


夏目くんは私の質問に少し考えるようにして、ぽつりぽつりと答えた。


夏「前は嫌いでした…何で俺だけ見えるんだろうって。でも、今は…嫌いじゃないって思います」


その少ない言葉からも彼が今まで妖怪が見えることで苦しんできたことが感じ取れた。


貴「そうなんだ。私はね、夏目くんが言う通り、ギンが好きだったんだ。そして、私のおばあちゃんもギンが好きだった」


夏「Aさんのおばあさんも?」


貴「そう。私のおばあちゃん。蛍おばあちゃんって言ってね、夏目くんみたいに妖怪も見れたみたい」


夏「そうなんですか…」


貴「おばあちゃんの生家はこの辺りじゃ有名な祈祷師の家で、地域の人たちからも頼りにされてたらしいんだけど」


夏「…だけど?」


貴「特別な力を持っている人たちって言うのは、孤独なものよね…蛍おばあちゃんには友達と言える人がいなかった。周りに集まってくるのは助けを請う人たちだけ」


夏「……」


夏目くんの瞳が悲しげに揺れる。


貴「でもね、蛍おばあちゃんの隣にはいつもギンがいてくれたの。蛍おばあちゃんにとってギンは唯一の友人で、とても大切な存在…人間とか妖怪とか関係なくね」


そう言い終わると、夏目くんは何かを思い出すように目を細めた。


夏「あの…Aさん」


貴「なに?」


夏「その…蛍さんとギンの話、もう少し教えてくれませんか?」


そのお願いに私はにっこり微笑んで答える。


貴「もちろん。でも、実はその話、蛍おばあちゃんの日記帳からなの。これ、夏目くんも読んでみる?」


夏「いいんですか?」


貴「うん!夏目くんならいいと思うよ」


夏(?)「じぁ、失礼して読ませてもらいます」










11月21日


今日はとっても嫌な日だった。


学校の子たちから

"最近の天災はあんた家のせいだ。あんたのせいで私の家は不幸になったんだ"

と言われた。


先日の台風で川が氾濫して、家が流されたり、作物がだめになってしまったり…


確かに村は天災に見舞われていたけど、それが全部、代々祈祷師としてやってきた私の家せいにされるなんて。


お母さんは仕様がないこと。これはうちの役目だからと言うけれど、頭でわかっても、納得できない。


最近では、嫌がらせか石まで家に投げつけられる。


私はこの家に生まれたくて生まれたわけではないのに…

あんたのせい→←夏目とギン



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あい - いい感じで蛍火の杜へと夏目友人帳がコラボしてて面白かったです!!こういうギンと蛍の話もステキですね!! (2017年9月17日 23時) (レス) id: 5502c42b4a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 小説読みました!!! 面白かったです!更新頑張ってください!! (2017年8月19日 22時) (レス) id: 9cb1ed3aee (このIDを非表示/違反報告)
はっつぁん(プロフ) - 赤音さん» ありがとうございます!久しぶりに更新しましたo(^▽^)o (2015年10月5日 19時) (レス) id: 3944af5de6 (このIDを非表示/違反報告)
赤音 - 面白いです!更新頑張って下さい! (2015年9月21日 22時) (レス) id: 7cc5b4ca46 (このIDを非表示/違反報告)
季駒キク。@haru嫁(プロフ) - 面白いです!夏目が関係してくるんですね・・!すてきです!応援してます (2013年12月27日 15時) (レス) id: ee17cff801 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はっつぁん | 作成日時:2013年11月2日 12時

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