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暗闇の世界 ページ19

満月の夜の死の森からの帰り道、

私は先程までのギンとのやり取りを思い出しながら、顔がにやけてしまうのを止められないでいた。


"やっぱりギンが大好き…

ギン以外の人は考えられないよ"


一方で、ギンは同じ満月を悲しく切なく見上げていた。








翌日、機嫌よく蛍はクラスの教室の戸を開けた。

「あ」

ちょうど、神崎くんが教室から出てくるところに鉢合わせた。


神「お…おはよう…竹川//」

蛍「おっおはよぅ…」


お互い気まずそうに挨拶を交わす。神崎くんは見るからにして真っ赤になっていた。


でも、私はその様子にわざと気付かないようにした。


"私が好きなのはギンだけ。昨日の神崎くんの言葉はなかったことにしよう"


そして、その後も神崎くんと関わらないように、お昼休みも放課後もすぐに教室を出て、また一人で過ごすようになった。


"これでいいんだ。また学校では一人になっちゃったけど、私にはギンさえいてくれればそれでいい"


ある日のお昼休み、他クラスの女の子たちが話し声が耳に入った。


「ねーねー知ってる?今度ある花火大会でね、ひとつだけハートの形の花火があがるんだって…それでね、その花火を一緒に見た恋人はずっと結ばれて一緒にいれるんだってよ」

「あ!それ私も聞いたことある〜3年に1回だけあるんだってね!3年前私のお姉ちゃんも今の彼氏と一緒に見て今でもラブラブだよ〜」


"ずっと一緒にいれる…"


早速、私はその日の夜、ギンを誘うべく、死の森へ行った。


蛍「ねぇ!ギン!聞いて!今日いいこと聞いちゃったんだ〜♪来週の金曜日にある花火大会ね…」


(・・・)


蛍「ギン?いないの?面白ろがってないで出てきてよ…」


(・・・)


いつもならフッと現れるはずなのに…


蛍「ギン!!はやく出てきてよ!話したいことがあるの」


何度呼んでもギンは現れない。


ギンの身に何か起こったのだろうか?


もしかして……消えてしまった………


いつも考えないようにしながらも常にある不安が夜の森の暗闇とともに心の中に侵食してくる。


蛍「そんなわけないよね…きっと何処かで寝ちゃってるんだよね」


暗闇の中にそう言い聞かせながら、ギンがいそうな場所を回ってみたけど、何処にもギンはいなかった。


あるのは、いつも月明かりの中、ギンが隣にいる森とはまったく違う空間ー


ギンがいない、たったひとりっぼっちの孤独で冷たい、暗闇がただ広がっているだけだった。

消失→←私が好きなのは



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あい - いい感じで蛍火の杜へと夏目友人帳がコラボしてて面白かったです!!こういうギンと蛍の話もステキですね!! (2017年9月17日 23時) (レス) id: 5502c42b4a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 小説読みました!!! 面白かったです!更新頑張ってください!! (2017年8月19日 22時) (レス) id: 9cb1ed3aee (このIDを非表示/違反報告)
はっつぁん(プロフ) - 赤音さん» ありがとうございます!久しぶりに更新しましたo(^▽^)o (2015年10月5日 19時) (レス) id: 3944af5de6 (このIDを非表示/違反報告)
赤音 - 面白いです!更新頑張って下さい! (2015年9月21日 22時) (レス) id: 7cc5b4ca46 (このIDを非表示/違反報告)
季駒キク。@haru嫁(プロフ) - 面白いです!夏目が関係してくるんですね・・!すてきです!応援してます (2013年12月27日 15時) (レス) id: ee17cff801 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はっつぁん | 作成日時:2013年11月2日 12時

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