37 ページ40
・
『ご馳走様でした。とても美味しかったです』
燭「お粗末さまでした」
光坊が食器を片付けに厨に戻ると、貞坊はそれを手伝いに行った。
『ところで鶴丸さん』
鶴「なんだい?」
『私にどう言ったご用件でしょうか』
鶴「……こいつは驚いた。分かってたのか」
平然と言ってのける目の前の審神者に俺はちと面食らった。
こういう事は顔に出していないつもりだったから。
『……少し違います。分かっていた、と言うより分からざるを得ない、という感じです』
鶴「?どういう意味だ?」
『太鼓鐘貞宗さんの視線。彼は貴方と私を交互に見てましたから。気づかれないようにしてたみたいですけど』
それを一気に言うと、審神者はゆっくりと茶を飲んだ。
『あとは勘、ですかね』
鶴「はははっ!やはり人生には驚きが必要だな」
正直、侮っていた。
生き血で手入れやなんやらが出来るとは言っても所詮人間。
(甘く見すぎたな)
『それで、お話は』
鶴「俺は伽羅坊を探しているんだが何処にいるかわからないか?」
審神者は怪訝そうな顔を俺にむける。
そりゃあそうだろう、ここに来てまだ2日め。
そんなこと知るはずがないのは重々承知している。
だが、こいつはあの三日月宗近を見つけ、更には顕現までした。
(伽羅坊の行方だって分かるんじゃないだろうか)
『……三日月さんの事でそう仰っているのなら誤解ですよ。あの人はたまたま見つけたんです』
鶴「……それでもいいさ」
それでも、俺達はあいつに会いたいんだよ。
『わかりました』
鶴「は?」
『なんで驚くんです?』
鶴「いや、だって……なんの手がかりもないんだぞ?」
『だからなんですか』
いつの間に茶を飲み終わっていたのか、審神者は立ち上がってなんでもないように言った。
『私は審神者ですから。仕事はきちんとします』
平然と、さも当然のように。
1575人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
【ヒプノシスマイク】シンジュクのNo.1キャバ嬢は今日も笑顔で働きます。2
【ヒプノシスマイク】シンジュクのNo.1キャバ嬢は今日も笑顔で働きます。
もっと見る
「刀剣乱舞」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
iceblast5(プロフ) - お疲れ様です!続き楽しみに待ってます!お身体ご自愛くださいませ♪ (2018年12月27日 20時) (レス) id: 69d49e1d20 (このIDを非表示/違反報告)
るん(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです!! (2018年12月2日 1時) (レス) id: 02c33f4747 (このIDを非表示/違反報告)
さら - はじめまして!いつも小説楽しみにしてます!更新頑張って下さい! (2018年11月8日 21時) (レス) id: 8178d9f7d8 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅(プロフ) - 璃月さん» ありがとうございます...!お互い頑張りましょう!! (2018年10月22日 23時) (レス) id: 5c9d938f2b (このIDを非表示/違反報告)
璃月 - 素敵な作品ですね!羨ましいです。私も受験生なので、お互い頑張りましょうね! (2018年10月22日 19時) (レス) id: 069b5fd343 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:桜餅 | 作成日時:2018年8月7日 21時