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「ふぅ････････
今日はいい天気だな･･･」
武州
私たちが生まれ育った場所
のどかで争い事なんてない
平和な村だ
洗濯物も干し終わった
･････････少しだけするか
「こいつを持つのは何年ぶりかな･･････」
父上がご存命の時
私は剣を振り回していた
長女として、
ミツバを守るために
･････････私はミツバを守れているのだろうか
「ﾊｧ･･････ﾊｧ･･････」
いつからだろうか
素振りが百を超えるのは
そう言えば私の素振りが万を超える時
私の居場所がなくなった気がする
「ヨツバ殿
いい素振りっぷりですな」
勲さん･･････
ミツバがそう呼んでいるから
私もそう呼び始めた
「･････････お見苦しいところを」
･････････私の居場所はなくていい
それがミツバへの罪滅ぼしだ
それが総悟へ罪滅ぼしだ･･････
「いやいや！！
とてもいい素振りだったよ
ぜひ道場の門下生になってもらいたい限りだ」
「･････････私には時間が無い
･････････残りの時間をミツバと総悟のために使いたい
･････････お断りするよ」
「･････････そうか
そう言えばヨツバ殿は来年には･･････」
「･････････」
私は勲さんから少し目線を外し、
悲しいのかよく分からない感情のまま
父上の刀を見つめた
「･････････大丈夫･･････
私は決して死なない
･･････ミツバを遺しては
総悟を遺しては･･･
まだ逝けない
･････あの子達の祝言を見てからじゃないと
私は死ねない･･････」
父上の刀を太陽に掲げる
「･････････父上･･････
ミツバと総悟をお守りください･･････
私なんぞどうなってもいい」
「ヨツバ･･･殿･･････」
勲さんは私を抱きしめてくれた
「･････････なぜ･････････？」
「･････････」
勲さんは黙ったまま
きつく、きつく抱きしめてくれた
「･････････ヨツバ殿
確かにミツバ殿や総悟は大切だよ
でも俺はヨツバ殿も大切だ
ミツバ殿もそうなんじゃないのかな？
･･････ヨツバ殿
決して死んではいけないよ
いい？
絶対に生きて帰ってきて･･･」
「･･････ああ･････････」
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作者名：神無 | 作成日時：2018年7月18日 10時
