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あれから数年
異三郎は見廻組を創った
「・・・・・・どうする気なの?
・・・骸を
骸の名前は」
携帯をいじっている異三郎にそう問う
・・・・・・・・・異三郎は総悟達と色違いの隊服を着ている
・・・骸も同じ服
私は着物を着ている
・・・だって私は奈落でも見廻組でも無い
「・・・・・・・・・思いつきで付けても
いいですかね」
「まさか・・・・・・」
異三郎はあの日以来
私の前でも敬語を使うようになった
・・・・・・私も異三郎のにっくき仇の一人だから
「・・・・・・はい
今井『信女』にしようかと」
「・・・・・・・・・もう後戻りは出来ないのよ
異三郎」
「・・・・・・・・・後戻りできるほどの道などないでしょう?」
「・・・・・・・・・異三郎の決定なら私はついて行く
・・・でもこれだけは覚えておいて
奥さんや子供を救えなかったのは私
全ての責は骸では無い
私であるのよ」
「・・・・・・くどいですよ
ヨツバ」
敬語になっても唯一変わらなかった
私が最も嫌う『惡』と呼ばないこと
それにヨツバと敬称抜きで呼んでくれること
・・・私はいくらか心が救われた
そんな感覚に陥った
「・・・・・・・・・どうなっても知らないからね
異三郎」
「・・・・・・ええ・・・・・・」
そしてドアから出ようとしたら
異三郎は小声でこう言った
「復讐相手では無いあの子を側に置きたかった
・・・・・・・・・それがどうなることか分かっている
だが、あなたと同じ
・・・・・・・・・一人は寂しいんだ」と
とても・・・・・・驚いた
異三郎がそう言っていたから
・・・・・・・・・全てを包み隠すはずの
エリートがそんなことを言うから
私は異三郎を助けたいと思った
どうすれば助けられるのかな
・・・・・・斬っても意味無い
・・・・・・・・・出来れば骸と共に幸せになってほしい・・・・・・
そう思うのですらも私にはおこがましいのかな・・・・・・・・・
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作者名:神無 | 作成日時:2018年7月18日 10時