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番外編―猫― ページ10

※前話の続き



 


実を云えば、ここを選んだ条件はもう一つある。


それはポートマフィアの最終兵器――菊池Aという存在を把握し、保護するに足る場所であるかどうかという点だ。

もし、幼児化の混乱によって他組織に私の存在が露見しようものならこのヨコハマの均衡は崩れる。

つまりそれらの事情諸々を把握した上での保護を依頼するなら探偵社を置いて他には無いと判断したのである。



「まぁ、私の躯が戻るまでここに居座らせて貰うだけですから御構いなく」


と云いつつふと見れば、窓の外に猫がいることに気がついた。それを凝視する私に乱歩さんが云う。


「丁度ここ、猫の通り道なんだ」


成る程。陽が当たって暖かいから猫も住み着くのだろう。


「そう云えばポートマフィアに猫は居ないんですか?」

大きな目をくるくるとさせて尋ねる賢治君。


「賢治君、流石に居ないよ」


眉を下げてあはは、と笑う敦君に私は暫し思慮する。そして――――



 



「…………禍狗(いぬ)社畜(いぬ)なら居るけど?」






と云った瞬間の沈黙。

太宰さんは「くく……」と必死に笑いを堪え、それ以外の面々はそこはかとなく私の言葉の意を察して苦笑いしていた。



「嗚呼!ね、猫抱っこしてみる⁉」


微妙な雰囲気に気を遣ったのだろうか……。谷崎さんが窓の外にいた猫を抱いて来て、差し出した。



「ぁ、え……抱っこって、如何……」


初めてのことに戸惑っていると、「大丈夫、この子人懐っこいから」と云って私の膝に猫を乗せる。


「それでゆっくり背中撫でてあげると……」


云われる侭に背中に触れたその瞬間、







しゅっ――……と風を切る音がした。




ふと見れば手の甲に赤い筋が一本。


事態を把握出来ないでいると「はは、引っ掻かれてやがる」と中原幹部の小馬鹿にした声が聞こえた。




それでやっと理解する。



成る程。この猫が私を引っ掻いたのか、と。





 

番外編―猫―→←番外編―舞い込んだ依頼―



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ギラッフェ(プロフ) - 雪だるまさん» お待たせいたしました!待っていてくださってありがとうございます! (10月18日 8時) (レス) id: 577991cf97 (このIDを非表示/違反報告)
雪だるま - 待ってましたー!ありがとうございます!これからも応援します!! (10月17日 22時) (レス) @page49 id: 34bbee5856 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 雪だるまさん» コメントありがとうございます!両方楽しんでいただけて何よりです!文スト原作の展開の読めなさに様子見中でした💦お待たせしますが必ず続けますのでお待ちいただけると嬉しいです! (10月3日 23時) (レス) id: a12ab69eab (このIDを非表示/違反報告)
雪だるま - コメント失礼します!貴方様の作品は銀魂の方も読んでいるんですが、どっちも大好きです!こっちの投稿も待ってます! (10月3日 16時) (レス) @page48 id: 34bbee5856 (このIDを非表示/違反報告)
ギラッフェ(プロフ) - 豆腐プリンさん» コメントありがとうございます!1番だなんて恐れ多いっ!番外編もありがとうございます。両者滞っておりますが原作が溜まってきましたのでそろそろ更新いたします。楽しみに待っていてくださると嬉しいです (2023年2月27日 21時) (レス) id: 2e6ffd9878 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ギラッフェ | 作成日時:2019年2月26日 19時

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