happIness*2-33【↓0506更新】 ページ33
(翔side)
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レギュラー番組の収録が終わって、
メンバーそれぞれ帰り支度を始める。
メイクを落とそうかと思ったけど、面倒だなぁとも思えてきた。
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「櫻井さんいます？」
「いるよ〜」
「あ、工藤さんのことなんですけど」
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ああ、そうだ。
早く帰って、Aの話を聞いてやらなきゃいけない。
手紙を置いて約束してきたんだった。
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「うん？」
「なんか今日のカウンセリング、体調不良でキャンセルしたみたいで」
「え？」
「櫻井さんなら何かご存知かなって……黒川マネージャーが」
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朝、覗いた時には変わった様子もなく眠っていたと思う。
俺に聞いてくるということは、本人と連絡が取れないんだろうか。
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「朝はいつも通りだったと思うけど……」
「そうですか」
「帰って様子見るわ、黒川さんにも伝えておいて」
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メイクを落とすのはやめて、荷物をまとめる。
メンバーが手を止めて、こちらを見た。
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「A、大丈夫？」
「あぁ……相変わらず」
「そっか」
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声は出ない、何かから逃げるように、
よく眠るようになった。
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「今度連絡しようかな」
「はは、喜ぶよきっと」
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ぽつりと呟いた智くんの言葉に笑う、
誰かと連絡を取っている素振りも見せないから、
きっと喜ぶだろう。
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「じゃぁごめん、先帰るわ」
「うん、お疲れ」
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ひらひらと手を振る4人に見送られ、家路につく。
道中、ラインを送ったけど既読にならなかった、
寝ているのかもしれない。
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「ただいま……」
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しんとした廊下は、俺の帰宅を感知して灯りがついた、
扉の先のリビングからは音はしないけれど、
電気がついているのは分かる。
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リビングには人の姿は見えなくて、
寝室か、と思った。
と、同時にAはいつも、こんな静かな中
ひとりで帰りをまっているのかと、心が痛んだ。
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