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ー良ければ、電話させて。




その言葉が嬉しすぎて、
思わず笑顔になってしまった。


了解のメールを送って、
しばらく返信を待った。


すると、電話がかかってきた。


「もしもし?」


『もしもし。零くん!』


「思わず、電話したくなっちゃった。
声、聞きたくなっちゃった」


こんなこと言われたことなかったから、
とても嬉しかった。


『私も。零くんの声が聞きたくなった』



「これから、Aちゃんのこと、
Aって、呼んでいいよね?」



『うん、いいよ。
じゃあ、私も零って呼んでいい?』



「もちろん。よろしくな。


じゃ、おやすみ」



『おやすみなさい』




楽しい時間は、
すぐにすぎてしまう。



零くんを零と呼ぶことを決めた。

なんだか、付き合うって楽しい。


…ん?

前もこんなことを話した気がする。





ー名前か…野中のこと

“A”って呼んだら嫌?ー





『結弦、くん…』


結弦くん、君はなんで
あんなこと言ったのだろう。



声が聞きたいのは、




本当に声が聞きたいのは、




零くんなんかじゃない。




結弦くん、君だよ。






でも、電話番号もメールアドレスも
知らない。



『なんでよー…!』



この思いは、全部結弦くんに
言いたいことばかり。


後悔した。本当に。


そのまま、私はベッド突っ伏した。


でも、よく考えたら
明日も学校がある。


しかも、席だってすぐ近くにある。


まだまだチャンスがある。



それに、困ったら零くんに頼めばいい。



沢山のチャンスは近くにある。



安心のあまり、私はそのまま
寝てしまいそうになった。



あ、髪乾かさなきゃ。



髪を乾かしながら
昨日買ってきた雑誌を読んでいた。

それもサッカー関係の。



昔は、こんなもの読んでいると
男みたい、とバカにされることが多かった。

でも、今はやりたい事を
好きなだけやろうと決めた。


だからって将来、プロの
サッカープレイヤーになろうとか、
そういうことではない。


今は、サッカーに打ち込みたいだけ、
その一心でピッチに立ってきた。


たとえば、今のクラスのように
サッカー部員が少数でも、
チームとして先輩達と戦えれば
それでいい。


ただ、それだけ。



髪も乾かし終わり、
ベッドで通知の最終確認をして、
眠りに落ちた。




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作者名:五月女遥 | 作成日時:2016年12月28日 23時

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