第50話(太宰治side) ページ10
午後10時。
標的の元へ送った襲撃の予告状に書かれた時間。
そして、作戦の開始予定時刻。
「──そろそろかな」
「「?」」
まだ状況への理解が追い付かない二人は「何言ってんだ、此奴」とでも言いたげな視線をこちらに向ける。
「何言ってんだ、此奴」
「さぁな。気にするだけ時間の無駄だろ」
「それもそうか」
…………幾ら予想通りとは言え流石の私でもこれは少しばかり傷付くのだけど。
「居たぞ!!」
「「!」」
ほら、矢っ張り。
「餓鬼が三人?違うんじゃないのか?」
「だが午後10時に奴等が襲撃を仕掛けてくるとボスが……」
現れたのはスーツ姿の男達。
組織の下っ端といった所か。
「……消すか」
「だな」
彼等は徐に拳銃を取り出す。
「恨むならこんな所に来ちまった自分を恨むんだな」
真っ直ぐに私達を捉える銃口。
「じゃあな」
銃声の代わりに聞こえた男達の苦悶の声。
揺らめく靄の様なものが胸部を貫いている。
中也の異能ではない。
当然、私のものとも違う。
真理の方を見る。
その掌の上で、形を持たない黒い炎が静かに揺れた。
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fiest(フィエスト)(プロフ) - 雨宮さん» お返事遅れましてすみません。雨宮さん、コメントありがとうございます。まだまだ続きますので、もしよろしければ気長にお付き合いください。 (2022年12月25日 23時) (レス) id: ecf63f7120 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮 - 面白いです。これからも楽しみにしています。 (2022年11月15日 10時) (レス) @page41 id: 27a6582a0d (このIDを非表示/違反報告)
fiest(フィエスト)(プロフ) - ゆめのさん» ゆめのさん、コメントありがとうございます。大変な亀更新ですがちまちま作っていくつもりですので良ければお付き合いくださると嬉しいです。 (2020年4月25日 21時) (レス) id: 1f83ad1ac9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめの - コメント失礼します^o^凄く面白いです!更新頑張って下さい!応援しています! (2020年4月17日 19時) (レス) id: a922e9fda4 (このIDを非表示/違反報告)
fiest(フィエスト)(プロフ) - 怪盗MOON さん» MOONさん、再度感想を寄せてくださりありがとうございます。己の好みに従った結果こうなっちゃいました……wちまちま更新してますのでゆっくり待って頂ければ幸いです! (2020年1月6日 0時) (レス) id: 1f83ad1ac9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:fiest(フィエスト) x他1人 | 作成日時:2018年6月5日 18時