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第60話 ページ24

任務帰りのこと。
もう朝日は登っていて、戻って報告書を仕上げさえすれば後はゆっくり眠るだけ。

空は晴れ渡っていて、海辺に行ったら水面に太陽の光が反射して綺麗だろうな、なんて思い立って。
オレはそう遠くない港の側にある遊歩道を通って帰ろうとしたんだ。


「……あれは、」
想像通りの景色の端に黒がぽつぽつと。

それが組織の構成員であることはすぐにわかった。
しかしこんな時間にこんな場所に複数人で固まっているとは穏やかじゃない。

何かあったのは明白だ。


遊歩道から逸れ、彼等の居る方へ向かえば見慣れた人影に気が付いて。
「あれ、広津さん。……それに幹部殿までお揃いで、って何持ってるの」

広津さんの手に収まっていたそれは…………ゲーム機?
なんでまたこんな所に。

「"宵闇"か。これは、」
「ちょっと貸して」

返答を待たずにゲーム機を抜き取る。
画面には大破した機体の画像。
ああ、これか。

ポチポチと画面を戻して、最初から。
カーブに差し掛かれば内側に寄って最短距離で回り込み、直線ではこれでもかと加速して。

「……」
画面には「CLEAR」の文字。
ついでに最高タイムも大幅に更新してやった。
よし。

「出来たよ……って取り込み中か」

襲撃者、兵、銃に陽動。
聞き取れる単語だけでも何やら相当な厄介事が起こりつつあるとわかるが、率直に言って面倒臭い。
オレは頭を使うのは得意じゃないんだ。

後で動く時に聞けば良いや。

話を聞きながら考えることを放棄して、再び画面に目を移す。

「はい、おしまーい」
「あ」
三つ目のステージを始めたところでゲーム機を奪われる。
治だ。

「なに、」
「飲み物。君は何にする?」

「んー……、炭酸がいい」
じゃあ、自分で買って来てね。
そう言って治はひらひらと手を振って見せる。

「…………」
この野郎。

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作品ジャンル:アニメ
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fiest(フィエスト)(プロフ) - 雨宮さん» お返事遅れましてすみません。雨宮さん、コメントありがとうございます。まだまだ続きますので、もしよろしければ気長にお付き合いください。 (2022年12月25日 23時) (レス) id: ecf63f7120 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮 - 面白いです。これからも楽しみにしています。 (2022年11月15日 10時) (レス) @page41 id: 27a6582a0d (このIDを非表示/違反報告)
fiest(フィエスト)(プロフ) - ゆめのさん» ゆめのさん、コメントありがとうございます。大変な亀更新ですがちまちま作っていくつもりですので良ければお付き合いくださると嬉しいです。 (2020年4月25日 21時) (レス) id: 1f83ad1ac9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめの - コメント失礼します^o^凄く面白いです!更新頑張って下さい!応援しています! (2020年4月17日 19時) (レス) id: a922e9fda4 (このIDを非表示/違反報告)
fiest(フィエスト)(プロフ) - 怪盗MOON さん» MOONさん、再度感想を寄せてくださりありがとうございます。己の好みに従った結果こうなっちゃいました……wちまちま更新してますのでゆっくり待って頂ければ幸いです! (2020年1月6日 0時) (レス) id: 1f83ad1ac9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:fiest(フィエスト) x他1人 | 作成日時:2018年6月5日 18時

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