第20話 ページ23
そんなやり取りの後、改めて首領にオレを呼び出した用件を聞くと、
「そろそろ君にも任務を与えようと思ってね」
との事だった。
だが、内容について首領は何も教えてくれなかった。
「紅葉君の部下に伝えてある」
だの
「君には簡単過ぎるかも知れないがね」
だのと言うばかりで、全く内容に触れようとしない。
それならわざわざ執務室に呼び出す必要性は無かったのではないか。
そう尋ねた所、首領が気持ち悪い程の良い笑顔になって
「これを君に着てもらおうと思ったのだよ」
と、先程のドレスを手に再び接近しようとしてきた為、オレは逃げる様に部屋を後にした。
……それが今から約三時間前の出来事だ。
現在オレが居るのは紅葉姐さんの部下が運転する車の中。
車が向かうのはターゲット達の拠点。
「……」
オレは後部座席に座り、見るともなく車内を眺めながら、乗り込んだ直後にようやく知らされた任務内容を思い返す。
与えられた任務は、ポートマフィア傘下の小規模グループの殲滅。
話によれば、そのグループは組織の武器を密売していたらしい。
既に証拠も挙がっていて、後は奴等を始末するだけ。
その役目がオレに回ってきたという訳だ。
オレには任務遂行に当たって二つの指示が与えられていた。
一つは「手段は問わない、ターゲットを確実に死に至らしめろ」というもの。
もう一つは「必ずオレ一人で実行せよ」というものだ。
詰まる所、ほとんどオレの単独任務。
本来であれば目的地に向かう所からオレ一人で行うのが筋なのだが、オレに土地勘が無い事に加えて目的地が少々遠い事も重なり、特別に紅葉姐さんが案内を付けてくれた。
車が止まる。
窓の外を見るとそこは倉庫街の近く。
どうやら目的地の側まで来た様だ。
……いよいよか。
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fiest(フィエスト)(プロフ) - 怪盗MOONさん» コメントありがとうございます。不定期更新になっていますが頑張ります! (2019年12月29日 8時) (レス) id: 1f83ad1ac9 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗MOON - 怖い!姐さんが怖い!けど面白い!頑張ってください! (2019年12月28日 19時) (レス) id: a4bcfb41fb (このIDを非表示/違反報告)
fiest(フィエスト)(プロフ) - はらさん» ありがとうございます。外しておきました! (2018年4月23日 10時) (レス) id: c32790ae98 (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグ外して下さいねー (2018年4月22日 22時) (レス) id: 3032af9fae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:fiest(フィエスト) x他1人 | 作成日時:2018年4月22日 21時