第17話 ページ20
更に一ヶ月後。
オレの「訓練」も、いよいよ最後の仕上げに入っていた。
「……」
目の前に居るのは紅葉姐さん。
その手には和傘。
柄の部分に刃が仕込まれた代物だ。
対するオレの手には何も握られていない。
…………今は。
オレは紅葉姐さんの方へゆっくりと歩いて行く。
真横に差し掛かると同時に袖に仕込んだナイフを逆手に構え、その腕を姐さんへと突き出す。
キィン!
「!」
オレのナイフは紅葉姐さんの仕込み刃に止められ、刃のぶつかる甲高い音が響いた。
「「……」」
お互い無言のままで鍔迫り合った後、何度か打ち合う。
聞こえるのは金属同士の衝突音だけだ。
再び鍔迫り合いの形になるが、今度は背後に跳んで距離を取る。
「腕を上げたのう。三月前とは見違える様じゃ」
言いながら紅葉姐さんは刃を収める。
それを見て、オレもナイフを仕舞う。
「自分でも驚いてるよ。まさかここまで出来る様になるなんてさ」
そう言ったオレに紅葉姐さんは微笑み、歩み寄って来る。
「真理、「訓練」はこれで全て終了となる」
「じゃが──……」
「…………っ!」
「油断は禁物、じゃ。その事を忘れるでないぞ?」
気が付いた時には姐さんの刃がオレの首筋に当てられていた。
「…………うん。分かってるよ、紅葉姐さん」
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fiest(フィエスト)(プロフ) - 怪盗MOONさん» コメントありがとうございます。不定期更新になっていますが頑張ります! (2019年12月29日 8時) (レス) id: 1f83ad1ac9 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗MOON - 怖い!姐さんが怖い!けど面白い!頑張ってください! (2019年12月28日 19時) (レス) id: a4bcfb41fb (このIDを非表示/違反報告)
fiest(フィエスト)(プロフ) - はらさん» ありがとうございます。外しておきました! (2018年4月23日 10時) (レス) id: c32790ae98 (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグ外して下さいねー (2018年4月22日 22時) (レス) id: 3032af9fae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:fiest(フィエスト) x他1人 | 作成日時:2018年4月22日 21時