第0話 ページ1
わかってる、けど、これ以上は。
──息が。
「…………がはっ……!」
空気を求めて口が開く。瞬間、水が大量に体内へと流れ込んできた。
沈んでいくオレの身体とは反対に水泡が上へと昇っていく。
下へ下へと沈むにつれて、どんどん身体が冷たくなっていくのを感じる。
指先は既に冷え切って、自分の意思で動かすことさえ出来ない。
……段々と、視界もぼやけてきた。
苦 し い 。
オレはこのまま、死ぬんだろうか。
こんなに暗くて寒い場所で、一人きりで。
誰にも知られないまま、この世から消えていくんだろうか。
「……」
意識もはっきりしなくなって、どうやらいよいよ終わりが近付いているらしい。
16年とはまた随分と短い人生だ。
絶えるものは仕方ないけれど。
それでも、もう少し。
どうせならもう少し生きたかった、かな。
薄れていく意識の中、霞む視界に最期に映った、上に向かって伸ばされたオレ自身の掌。
それは、ひどく小さく、弱々しいものに見えた。
75人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
fiest(フィエスト)(プロフ) - 怪盗MOONさん» コメントありがとうございます。不定期更新になっていますが頑張ります! (2019年12月29日 8時) (レス) id: 1f83ad1ac9 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗MOON - 怖い!姐さんが怖い!けど面白い!頑張ってください! (2019年12月28日 19時) (レス) id: a4bcfb41fb (このIDを非表示/違反報告)
fiest(フィエスト)(プロフ) - はらさん» ありがとうございます。外しておきました! (2018年4月23日 10時) (レス) id: c32790ae98 (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグ外して下さいねー (2018年4月22日 22時) (レス) id: 3032af9fae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:fiest(フィエスト) x他1人 | 作成日時:2018年4月22日 21時