死・煉獄杏寿郎 ページ6
私の所へ鴉が来たのは
あなたがいなくなって三日後だった。
「はあ…はあ…」
走って走って
涙が止まらなくて
つまづいて道端に倒れ込んだ。
起きる気力すらなくて
ただ道端で大声で泣き喚いて
通りすがりの人たちの視線が冷たいことも
どうでもいい
ねえ、どうしてなの。
「…Aさん…ですか?」
倒れ込む私に声をかけた唯一の人。
鬼殺隊の服を着た耳飾りが特徴的な男の子。
私は小さく頷いた。
「俺は鬼殺隊の竈門炭治郎です
煉獄杏寿郎さんから伝言を預かって来ました」
そう言った彼は顔が赤くて
どこかふらふらした様子で
「あ、」
倒れかけたので抱きとめると
身体中が熱くて
急いで近くの甘味所に入った
・
・
「す、すみません」
「こちらこそごめんね
あんなかっこ悪い所見せてしまって」
お茶を飲んで落ち着いた炭治郎くん
私も少し落ち着いてきた。
彼の後輩にあんな所を見られたのは恥ずかしい
「いえ、俺も煉獄さんが目の前で亡くなった時はその場で大泣きしましたから…。
当たり前です
かっこ悪いなんて思いません」
「君は優しいね
真っ直ぐな瞳をしてる
なんだか彼を思い出すわ」
杏寿郎も同じような真っ直ぐな瞳をしていた
私は杏寿郎の幼馴染で
鬼殺隊では無かったけれど
藤の家に住んでいたから鬼殺隊の事は知っていた。
私の元に飛んできた鴉は杏寿郎の鴉。
まさか三日後に知ることになるとは思わなかった。
大好きな人ともう二度と会えないことを。
「俺が強かったら煉獄さんを守れるほどの力があれば煉獄さんは死ななかった
本当に申し訳ないです…」
「謝らないで
あなたは悪くないもの
彼の最期を聞かせてくれる?」
炭治郎くんに聞いた彼の最期は本当に彼らしかった
誰にでも平等で優しく強い彼
「最期に煉獄さんがAさんに残した言葉は…」
・
・
炭治郎くんと別れた後
家に帰ると涙が止まらなかった
「出来るわけないじゃんそんなこと…」
暗い夜の空に輝く星に呟く
ねえ、きっとあなたは星になって太陽になって
見ているんでしょう?
なら私の気持ち分かるでしょう?
ねえ、戻ってきて
「俺の事は忘れて幸せになってほしい」
私には出来ない
例え二度と会えなくても
あなたがいなくても
私の気持ちはあなたの物よ
お願い
好きなの
もう一度私に笑ってよ
end.
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美桜 - 話好きです。続けて下さい。更新頑張って下さい。 (2019年3月2日 20時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
ファルル(プロフ) - 竈門炭治郎ですよ!門が抜けています (2018年8月8日 0時) (レス) id: 75508b9973 (このIDを非表示/違反報告)
たごちゃん(プロフ) - 涙が止まらないです。切なくて。すごく心動かされました。ありがとうございます。 (2018年7月7日 0時) (レス) id: dffad2ad26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:enen♪ | 作成日時:2017年7月20日 17時