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鬼と愛・ 猗窩座 ページ4

愛してしまったら仕方ないでしょう


「私は鬼殺隊の柱なのよ」


「ああ。知ってる」


今まで知らなかった
こんなにも誰かを愛することが出来るなんて


「どうしたらいいの…」


今まで知らなかった
愛するあなたが


「お前も鬼になろう」


鬼だったなんて。



「猗窩座…」



真冬の夜。
静かな何もない草原
肺が凍りつくような冷たい風が私の頰に触る


あなたと初めて出会った日もこんな夜だったよね。
もう何年も前に私が初めて鬼殺隊として鬼を狩った時に力尽きてここで倒れてたの。
そんな私をあなたは抱きしめて一晩中ずっと側で暖めてくれた。

今でも忘れない記憶。

覚えてるのよ。


その日以来何度もここであなたと出会った。




「どうしてあの時私を生かしたの?

今までどうして私を食べなかったの?」



「俺はお前が愛おしかった」



静かに優しく語る彼。
こんなにも優しく私を見つめる彼が
私達の仲間の命を絶っただなんて

今でも信じられない。


きっと炭治郎くん達の話を聞かなければ

ずっと知らなかった
猗窩座が鬼だなんて



「本当にそれが理由なの…?」



鬼が自分達の食べ物でしかない人間に恋愛感情なんて抱くのか不思議でたまらない。



「それ以外に理由はない

お前のその美しさ笑顔強さ
全てを愛している」



大好きな人に愛おしい人に
そう言われて素直に喜べないのが悔しい

だけど相手は鬼
何十人も何百人もの人を喰らって生きてきた鬼。


私が滅するべき標的



「ごめんなさい



私もあなたを愛していたけれど


あなたと共に生きたいけれど



それは叶わないわ」




溢れ出る涙を拭ったのは猗窩座の手だった。
強く優しく抱きしめられた。



「俺はお前をころせない」



鍛え上げられたこの体
あの日の温もりに包み込まれた


「今夜で終わりにしよう
もう二度と会わないように」



「ああ」





一晩だけ

それでもうこの気持ちは捨ててしまうから




どうか許して








end.

良い・我妻善逸→←好き・ 時透無一郎



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美桜 - 話好きです。続けて下さい。更新頑張って下さい。 (2019年3月2日 20時) (レス) id: 87339a530e (このIDを非表示/違反報告)
ファルル(プロフ) - 竈門炭治郎ですよ!門が抜けています (2018年8月8日 0時) (レス) id: 75508b9973 (このIDを非表示/違反報告)
たごちゃん(プロフ) - 涙が止まらないです。切なくて。すごく心動かされました。ありがとうございます。 (2018年7月7日 0時) (レス) id: dffad2ad26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:enen♪ | 作成日時:2017年7月20日 17時

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