34話 うるさい ページ35
虎杖side
「えええええええええ?!」
「うるさい」
俺が叫んでしまったのも仕方ないと思う。片思い中の幼なじみに、一緒に寝ようと言われたんだ。叫ばない方がちょっとやばいと思う。え、なんでそうなったの???
「え、は……天音サン……?」
「ほんとにどうしたの……」
それ、他の人にも言わないよね?という言葉はグッと押し込んで、とりあえずふつうに返す
「なん……ぇ……これ夢??」
前言撤回。全く落ち着いてなかった。というか、これじゃあ天音じゃなかったら引かれてる……
「おーい、悠仁ーー?返ってきてー」
ボーっとしていた俺に、天音はふつうに話しかけてくる。え、これ意識してんの俺だけ?なんか悲しくなってくるんだけど……
「ああ!えーっと、俺ソファで寝るから!天音がベットで寝なって」
「ええ……あのソファ硬そうだし、寝違えちゃうよ」
「それでも!いいから、天音はもう寝なよ!」
よくやった、俺の理性。てか、ふつうに話してるから忘れそうになるけど、天音今彼シャツ状態なんだよな……
思いっきり頭を振って、今考えたことを否定しようとしたが、天音に心配されてしまった。さっきから俺変だよな、頭冷やさないと……
「ちょ、今度は冷蔵庫?!ほんとにどうしたの?!」
「天音……俺ちょっと今おかしいみたいだからもう寝るよ。おやすみ」
冷蔵庫で物理的に頭を冷やしていたら、天音にまた驚かれてしまった。なんかもう寝よう……そう思って、ソファにゴロンと横になる
うぇ……このソファ、肌触りはいいけどやっぱりちょっと硬いなあ……
「だーかーら!そこで寝たら寝違えちゃうって!なら無理やり私が運ぶからね!」
天音がそう言った瞬間、急に体が宙に浮く。え?俺今お姫様抱っこされてる?ふつう逆じゃね?
「え……天音?!」
「はーい、移動するからあばれないでー」
下ろされた、と思ったら、ベットの上だった。そういえばこいつ、体育の成績女子で一番だったな……それにしてもバカ力すぎでしょ
「バカ力……」
「それは悠仁もでしょ」
「で……なんで俺連れてきたの?あっちで寝るってば」
その姿で添い寝とか、どんな生き地獄??
「悠仁は、私と一緒に寝るのがいやなんだ」
……え?
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作者名:天泉(あまみ) | 作成日時:2022年5月27日 22時