黒音の奏者。【ブラクロ】

黒の卵が17こ ページ17

A side

なぜか全ての団から誘いを貰ってしまった私ですが、見事！お目当ての黒の暴牛団に入団いたしました！

当然のごとく私の足取りも軽い訳で。

嬉しすぎてもう、このまま空へ飛びたてるかもしれない。

そんな私の前に1つの黒い人影が。

A 『…！あ、ユノユノ〜！金色入団おめで…』

ユノ 「…なんであんな、最低の団に…？
A、はオレ達を舐めているのか？」

そう言い放つユノの声は、怒りに震えていた。


………………。


ごめん、ユノ。気持ちは分かるよ。
ユノは、魔法帝になるために最善の団を選んだんだから。

でも魔法帝になるためにも、皆を助けるためにも。
私にとっては、“最低”の団が“最善”なんだ。

A 『…ユノ。私はどんな逆境にいても、たとえ貧しい下民でも、こんな孤児でも。
誰にでも夢に挑戦できるチャンスがあるんだってことを伝える為に、魔法帝を目指すの！』

『最強の団に入らないと、魔法帝になれないなんて、私は嫌なんだよ…。』

『だから私は最低の団から、最高の魔法帝を目指す！
悪いけど私は2人に負ける気なんてこれっぽっちも無いから！』

お願い、分かってよ。ユノ…！

ユノ 「……。
最低の団から最高の魔法帝、か…。
は、出来るものなら、やってみろ。
魔法帝になるのは、絶対にオレだ。」

そう言うユノの顔は笑っている。

どうやら分かってくれたみたい。

そうそう、イケメンには笑顔が似合う！
怒ってちゃせっかくの顔が台無しだぜ？ (笑)

ユノ 「そういえばアスタも同じ団…だよな？」

A 『あぁ、そうだったね。どしたの？』

ユノ 「…いや、確認したかっただけだ。」

最後、ユノは何か言いたげな顔をして、【じゃあな】と颯爽と去っていった。

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