目黒くんと宮舘さん 2

66 mm ページ18

目黒side




久々に会う阿部くんは、やっぱり落ち着きある大人だった。








阿｢もしかしてここ通ってんの？｣




上を指す阿部くんに頷く。









阿｢俺、来年度からここで非常勤講師やるんだ｣




目｢ひじょーきんこうし？｣

阿｢先生｣

目｢！ああ｣






理解して、1拍おいて｢えｯ｣と驚いた。








目｢阿部くんに習いたかったっす…｣

阿｢残念、入れ違いだね｣






その面接帰りなのだと、阿部くんはそう言って笑う。







片手に本屋の袋があり、俺の視線に気づいて阿部くんから教えてくれた。









阿｢佐久間にあげるやつ！｣





出された中身は、高校受験用の英語本。







目｢…ん？｣


阿｢佐久間って中学レベルの学力だから｣




佐久間くんは英語に目覚めたのか？









阿｢あいつ1年後に留学すんだ。ダンス留学｣









今日は驚くことばっかりだ。









阿｢勉強頑張って！悪いからもう行くよ｣



目｢あ、阿部くん！｣








立ち話を切り上げかけた阿部くんの腕を引いた。





阿｢へ？｣




腕細いな、、





　







目｢お、俺に勉強教えてくれませんか｣









何分塾が嫌いだ。







______________________________







あれよあれよと近くのカフェまで阿部くんを連れて行き、テスト用紙を開いて見せた。







目を通した阿部くんから単刀直入に一言。





阿｢ひどいな｣



真顔で言われた。






阿｢模試判定は？｣

目｢………｣

阿｢…なるほど｣







隣の阿部くんは試すように上目遣いで見上げてくる。





目｢…2人目の生徒とかどうすか｣


佐久間くんを思い浮かべる。




阿｢塾は？｣

目｢この曜日はないっす、だから｣


阿｢俺も忙しいんだよなぁ｣





目｢お、奢る！｣









途端、女子のような顔でにっこりされ、






阿｢目黒って簡単だね｣









……渋ってたのは演技？


交換条件を吊り上げるための！？







阿｢甘いの食べたーい｣

目｢阿部くん怖ぇよ、怖ぇ｣




メニュー表を取る阿部くんが悪魔に見えた。









でも少しして始まった授業は分かりやすくて、




それから、これから毎週この日は阿部くんに教わることになった。

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