【ゴールデンカムイ】旅路の果てに見たもの番外編弐 (ページ11)

今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:32,615 hit

命知らずページ11

.

『私は大丈夫ですよ杉元さん。』

『杉元さんの外套が血で汚れてしまいます...』

私が外套に手を伸ばすと
杉元さんは私の手を優しく掴んだ

杉元「いいんだよ、血が付いたって俺は構わないよ。」

杉元「服もボロボロだし傷も酷いから、手当てするまでこれで隠して。」

『はい...』

私は杉元さんの外套をギュッと掴んだ

アシㇼパ「イナンクル...大丈夫か...?」

アシㇼパ「私を助けに行ったと聞いた...」

アシㇼパ「私のせいでイナンクルが酷い目に...」

アシㇼパ...

『もう...そんな顔しないで?』

私は悲しそうな表情のアシㇼパの頭を優しく撫でた

『私は笑ってるアシㇼパの方が大好きですので。』

『ほら、笑顔ですよ。』

アシㇼパ「うん...」

アシㇼパに辛い思いをさせちゃったなぁ...

決してアシㇼパのせいじゃない
これは返り討ちにあった私の落度...

杉元「アシㇼパさんでもイナンクルさんのせいでもないよ。」

杉元「気付かなかった俺も悪い...」

杉元さんは私の頬を触った

杉元「イナンクルさんの綺麗な顔に...」

そういえば頬も...

『傷はそこまで深くないので大丈夫ですよ。』

アシㇼパ「大丈夫じゃないぞ!!」

杉元「傷跡が残ったら大変だ!!」

杉元さんはマフラーで私の頬についた血を拭きとる

尾形「不死身の杉元を服従させる事ができるとはな...」

尾形「とんだ命知らずだ。」

杉元「おい...」

杉元さんは尾形さんに掴みかかった
とんだ命知らず...ね...

『服従させてはいませんが...』

『確かに私は命知らずかもしれませんね。』

杉元「イナンクルさん...」

でも...

『尾形さん。』

『あの時気付いてくださってありがとうございます。』

『尾形さんが合図をしてくださったからあの場を抜ける事ができました。』

おかげで助けを求めていたのにどこかへ連れて行かれそうになった女性を助けることができた
それに偽アイヌの男性たちを少し手負いにすることができた

身の程を知らない命知らずだと思われても悔しくも何ともない
だって私は私の行動を悔いていないから

私の犠牲で助かった人だっているから...

.