結局... ページ12
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杉元「おい尾形。」
杉元「イナンクルさんがありがとうって言ってるんだぞ?」
杉元「なんか言ったらどうだ。」
尾形「...」
尾形さんは無言で杉元さんを見ている
無理に言わなくても...
私はありがとうと感謝を伝えたいだけで...
『尾形さんに私の気持ちが伝わっていればそれだけで充分です。』
決して言わせようとはしていませんよ
杉元「こんな事言ってくれるのはイナンクルさんだけだからな。」
牛山「いや、尾形は嬢ちゃんに照れてるだけだろ。」
杉元「コイツが照れんのか?」
すると尾形さんがすごい笑で
杉元さんの足の指を銃床で潰した
ガンッ!!
杉元「痛ッてえ!!」
尾形「...」ﾆｯｺﾘ
アシㇼパ「何をしている杉元!!」
アシㇼパ「余計な事を言うから痛い目に遭うんだぞ!!」
なんだろう...
この雰囲気がなぜかとても懐かしくて...
牛山「どうした嬢ちゃん。」
アシㇼパ「イナンクル、なぜ泣いているんだ?」
杉元「どこか痛い?痛いよね...」
『大丈夫ですよ、服をボロボロにされて少し身体を切られたくらいですので...』
杉元「それ大丈夫じゃなくね...?」
違うの...
本当に恐かったから...
優しいみんなが恋しかったのかな...?
『血はもう止まったので大丈夫ですよ。』
所で...
『杉元さんは彼らがアイヌだと信じていらしていたのに...』
『どうして偽物だとお気付きに?』
アシㇼパ「それ、私も思ってた。」
杉元「あ〜それね?」
杉元さんはエクロㇰニㇱパの弟がひとりで帰って来たのを不思議に思い
私とアシㇼパの事を聞いた所...
杉元「アシㇼパさん、刺繍とか苦手だって前に言ってたから。」
『それで彼らが嘘をついていると分かったのですね。』
杉元さんは私達のことをよく覚えてくれている
だから今回の事も気付くことができたんだ
アシㇼパ「杉元、コタンの女たちの所へ行こう。」
アシㇼパ「無事か確かめたい。」
杉元「そうだね。」
全員揃って聞きたいことも聞けたので
私たちはコタンの女性たちのところへ向かう
尾形「おい。」
『はい、どうしました?』
尾形「アイヌ語で礼はなんて言うんだ?」
アイヌ語でお礼...
『イヤイライケレ!!』
イヤイライケレと
私は尾形さんに感謝を伝えた
尾形「フッ...」
尾形さんは杉元さんの時とは違う笑みを浮かべた
けれど照れているようには見えなかった
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作者名：檜枝 | 作成日時：2020年4月22日 1時
