エディー・ダン ページ20
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アシㇼパ「フチの家に伝わっていたものなら私にとっても大切なものだ。」
アシㇼパ「私が買い戻してくる。」
白石「そんなお金あるのぉ?」
買い戻すと言っても
私たちには取り返せる程のお金は持っていない...
アシㇼパ「いいだろうか杉元...」
杉元「もちろんだろ、ほっとけるかよ。」
『私も見過ごせません!!』
キロランケ「それで...誰に売ったんだ?」
アシㇼパ「この近くで牧場を経営するエディー・ダンというアメリカ人だそうだ。」
白石「アメリカ人!?」
エディー・ダン
ダンって確か白石さんが...
杉元「そうと分かればさっそく交渉だ。」
アシㇼパ「行ってみよう。」
私たちはエディー・ダンの経営する牧場へ向かった
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-牧場-
私たちが牧場を訪ねると
さっそくエディー・ダンの元へ通された
ダン「座ってくれ。」
エディー・ダンは私たちに
ソファーに座るように言った
『日本語がお上手ですね。』
ダン「日本に来て25年になる。」
私よりも長い...
ダン「出身はどちらで?」
『ロシアです。』
会話は交渉をするにあたって大切なものだ
相手に話の通じる人かどうかを見極められる
ある程度会話を交わしたら次は本題に入る
アシㇼパはエディー・ダンにトッカリの着物の話をする
ダン「私は珍しい物が好きでね、アイヌのものも集めているんだ。」
ダン「あの服も気に入っている。」
アシㇼパ「事情は話したはずだ。」
アシㇼパ「そっちが払った30円は返す。」
ダン「30円?100円じゃなかったかなあ?」
100円...
杉元「ダンさんよ...」
杉元「戦争ってどういう時に起こったか知ってるかい?」
杉元「舐めた要求を吹っ掛けられて交渉が決裂した時だ。」
杉元さん...
ダン「モンスターを斃せたら30円でアザラシ皮の服を返そう。」
ダン「うちの馬が何頭も襲われている。」
ダン「従業員もモンスターを恐れて退治する人間がいない。」
ダン「そいつの死体を持ってきてくれればアザラシ皮の服を30円で返す。」
白石「も...もんすたー?」
エディー・ダンの言うモンスターとは...
杉元「いいからさっさと返せよオッサン...」
ダン「...」
『杉元さん、それは交渉でなく脅迫です。』
『交渉は相手にも自分にも利益が得られなければ成立しません...』
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作者名：檜枝 | 作成日時：2020年3月23日 7時
