第630話 ページ24
疲れたように深く息を吐き、天井を見上げた
『だからまぁ･･･あの男の事は昔から どうとも思ってない』
親戚である"水無月奏海"を語った彼女の目と声からは、何の感情も感じられなかった
「･･･」
冷たい瞳に、無関心な声。
確かに水無月奏海の評価は、他の親族に比べれば甘いものだった。だが
「嫌いじゃないんだな」
『別に好きでもないけどな』
「･･･」
だがそれは･･･嫌悪感こそ持っていないものの、ただ単に興味が無いだけなのだ。轟の言葉に、水無月は淡々と返すばかり
(けど、それでも甘い方だな)
轟の脳内に思い浮かんだのは、彼女の叔父でもあるプロヒーロー オリオンだ。何と言っても彼は、実の姪にああも嫌われ 邪険にされているのだから
「妙だよな」
『？』
「家嫌いのお前が、何でその院長さんには嫌悪感を感じねえんだろうな」
ただ単に"良い人だから"というのでは、説明がつきにくい気がする
『･･････』
水無月は暫くボーッと考えて、首を横にカクンと傾ける
『さあね』
さほど興味も無さそうに答えた
「会った時に良くしてもらった･･･とか？」
『アイツは基本 九州にいる。顔を見るのすら、年末年始にある家の集まりくらいだった。別にその時だって何かしてもらったわけじゃ･････ん？』
「？」
『そういや、マトモに会話したのも今回が初めてだな』
「え」
『ロクに話した事すらなかった』
マジか。
「おおー、家の集まり！」
轟と水無月が会話している所に、上鳴を始めとしたクラスメイト達も集まってきて、芦戸が水無月の肩に抱き着いた
「すっごーい！なんか名家って感じだねー！」
『何が名家だ････権力のおこぼれ目当ての分家連中が ご当主様の顔色を伺って媚びを売り、なんの生産性もない話に花を咲かせて、豚のように飯を かっくらうだけの無意味な年末年始の集まりだ』
「す、すげー言いよう」
蔑みを孕んだ顔でソファの肘掛けに頬杖をつく水無月
『くだらな過ぎて、中学に入ってからは一度も出てない』
「じゃ、3年ぶりに会ったんだな」
『まあ』
「なら喜んだろ、その人」
『ハッ･･･まさか。アイツは何事にも無関心な奴だ。私の事も本家の跡継ぎだから、それ相応の扱いをしているだけ
"水無月家の異端児"と言われた あの男も、所詮は分家。本家の力添え無しに、あの規模の病院を運営する事は不可能だろうからな』
(異端児･･･？)
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綾林檎 - つゆりさん» 嬉しいコメントをありがとうございます！続編でも、どうぞよろしくお願い致します (2022年12月6日 19時) (
レス) id: ed59487077 (このIDを非表示/違反報告)
綾林檎 - 瑠璃さん» コメントありがとうございます！良いコンビですよね (2022年12月6日 19時) (レス) id: ed59487077 (このIDを非表示/違反報告)
綾林檎 - 脳筋(笑)さん» コメントありがとうございます！続編でもよろしくお願い致します (2022年12月6日 19時) (レス) id: ed59487077 (このIDを非表示/違反報告)
つゆり(プロフ) - 更新ありがとうございます！初期づきちゃんと初期ろきくんのくだり面白かったです！続編でも強くて可愛い水無月ちゃんを応援させていただきます！！！ (2022年12月1日 18時) (レス) @page50 id: 15b7003481 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！水無月ちゃんと天喰先輩の組み合わせ大好きです！！ (2022年11月29日 22時) (レス) @page39 id: 995eaca907 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：綾林檎 | 作成日時：2022年9月6日 0時
