6話 ページ7
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只今絶賛昼休み中。
食堂や中庭などを使用する生徒が多い中、私も風雅も今日は各々教室で食事を摂っていた。
"今日は"と言ったけれど風雅の場合は毎日教室。
クラス外の生徒に話し掛けられるのを避ける為に極力教室からは出たくないらしい。
同じ空間、前後の席で食事しているといっても、お互い昼休みに話しかけることはあまりない。
しかし今日に至っては、今朝の悪態について謝りたい気持ちもあり、話し掛けるか否か迷っていた。
するとそこに
「ふうさ〜〜ん！！ジャージ貸して〜〜」
教室の入り口から申し訳なさそうに声を掛ける黒髪の彼。
「あ、斗亜やん。どうしたん」
「午後体育あんねんけど長袖忘れてん」
ワケを話しながら教室に入ってきたLilかんさいのセンター"嶋��斗亜"くん。いつ見ても可愛らしい顔立ちにサラサラで綺麗な髪、愛嬌のある笑顔。天使なんだろうか。
「あ、中野さんや」
「ッえ゛！？あ…、どうも」
突然の声掛けに、飲んでいた野菜ジュースを吹き出しそうになった。
嶋��くんは風雅絡みで時々挨拶を交わす程度の関係だった為、こんな風に直接話し掛けられたことはなく、今正直ビビってる。
「(間近で見ると本当に可愛い…肌白い鼻高い…)」
「あはっ、そんなキンチョーせんでええよ。」
「は、はい…！」
「なんで敬語なん！！タメでええよ！！ふうさんからよく中野さんの話聞いとったから一回ちゃんと話してみたかってん」
「えっ……風雅、なにか変なことを…？」
「変なこと言ってへんよ〜！例えばなんやろ…寝顔が幼くて可愛い〜とか、いつも髪が良い匂いする〜とか？あ、髪の匂いといえば…今日のふうさんなんか甘くて良い匂いが…、」
「オイ、なに二人の世界入っとんねん」
「ほい斗亜、長ジャー」と、ロッカーから持ってきたジャージを嶋��くんに手渡す風雅
………………いやいやいや、待て待て待て待て待て
情報過多すぎてキャパオーバーなんだけど？
まず、えっと…風雅が私のことを嶋��くんに話してて……カワイイ…？イイニオイ……？？誰が…？私が……！？！？！？
「ぁ、あの…嶋��くん今の話って─…」
「斗亜もう用済んだやろ はよ帰れ」
「急に冷たなるやん！！」
「あとでシバいたるからな」
「理不尽！！」
風雅に出て行くよう促された嶋��くんは、ジャージを抱きしめてペコペコとお辞儀をしながら教室を出て行った。嵐のようだったな…色々と。
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続く (更新停止中)
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作者名：きゅる | 作成日時：2022年8月15日 4時
