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ごめん ページ19
「おい」
「・・・え?」
着物の袖を引っ張られ振り向くと、先程まで必死に探していた人物が涼しい顔で立っていた。
「ど、何処行ってたの!」
「ちょっと厠に」
「遅いよ!本当に本当に心配したんだよ!?」
「悪ィ悪ィ」
「悪いで済んだら警察はいらない!」
“もう沖田君なんて大ッ嫌い!”
一人必死になってるのが馬鹿らしくなって、勢い任せにそう言った。
「あ・・・・」
すぐに後悔して口を抑える。だって、目の前の沖田君は、
「・・・悪ィ、本当に」
とても悲しそうな顔をしていたから。馬鹿だ、私。人に拒絶される悲しみは、私も嫌と言うほど知っている筈なのに。
「・・・・私も、言い過ぎたね。さぁ、皆待ってるから行こう!」
急いで笑顔を取り繕い、沖田君の手を引いて走る。
(ごめん、ごめん、ごめん、ごめん)
心の中で何回も謝って、拭いきれない罪悪感を消そうとした。そんな私は最低と呼ぶのが相応しいだろう。
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作者名:ミズキ | 作成日時:2018年1月29日 17時