欲しいもの ページ10
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「＿＿＿という事があってだね、最近ハーツラビュル寮の寮生が女王の法律を破って仕方ないんだ！ボクが何度首をはねてもはねてもルール違反者が出てきて...全く！しっかりと常識を教えられ無かった証拠だよ！」
「ふーん...でも、確かにルールは大事だよね。昨日も僕、リドルんトコの寮生に“遊んでくれる”って約束破られたし」
キレるリドルを宥めるついでにマジカルペンを少しだけ磨いておく。
うん。きれいきれい！
「ボクだって首を跳ねたくて跳ねてる訳じゃないんだ。ルールさえ守ればそれで...」
ピタリと食事の手が止まるリドルに思わず首をかしげる。
？ 何して...
「ッ！キミ！！腕章が見えづらくて気付かなかったが、れっきとしたハーツラビュル寮生じゃないか！」
「ハートの女王の法律第271条、昼食後は15分以内に席を立たねばならないに反しているよ！！首を跳ねられたくなければ急いで席を...」
「ヒィッ、寮長！！す、すみません！今すぐ行くので首を跳ねるのだけは...！！」
僕にも分かるような怯えた顔で席を立つハーツラビュル寮生。
ウチの寮とは大違いだ。リドルって結構恐れられてるんだなぁ...
「ねね、リドル。僕が気になっただけなんだけどね、ルールを守って一人ぼっちになるのと、少しだけルールを破っても沢山の友達に囲まれて幸せに暮らすの...どっちが良い？」
「沢山の...友達に...」
少しだけ物欲しそうな目をした後、リドルはさも当たり前のように口を開いた。
「ルールを破るなんて何があっても、してはいけない事だよ。例え孤独になったとしてもルールを僕は守り続ける」
「...そんな事より、明日は“なんでもない日”のティーパーティなんだ。良かったらAもぜひ来ておくれ。歓迎するよ」
「明日はお茶会なんだ！僕も絶対参加するから待っててね！！...あ！あとリドル言い忘れてたんだけど...」
僕は知ってる。
あの一瞬だけ見せた、欲しいおもちゃを見つめるみたいな羨ましそうな瞳を。
「欲しいものは
リドルの瞳が何か言いたげに揺れた。
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作者名：candy | 作成日時：2021年10月16日 18時
