犬とベイビー2 (ページ21)

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タクシーで行きタクシーで帰る。

あぁなんて無駄遣い。

とは、思っていても心の中で
行って良かった。と感じてる自分。

私の中で勝手なイメージを抱いて

彼らに対して偏見の目で見ていた部分が分かった。

偏見というか・・・・

世界が違うというか

そんな感覚だけれど・・・・

ベクと会って分かった事は

私がチャニョルに酷い言葉を言ってしまった。

とても後悔したし、申し訳なく感じた。

彼がどうしてそこまでして

私の元を訪ねたのか

そこまで考える余裕は無かったけれど

時間が経って見れば

誰かひとりの誤解が、大きな誤解を生む。

それは彼らにとって迷惑な話。

だけど、今すぐチャニョルに連絡する気にはなれなくて

なれない。よりもやっぱり怖いんだ。

彼や彼の仲間を知るたびに

私はどうしたらいいか分からなくなる。

翌日、昨日の経緯を全て店長に話すと

「青春ね！！！笑」
と、鼻高々に笑っていた。

《私の青春はこんな感じじゃなかったです。》

「何言ってんのよ、どんな状況であれ楽しむのが青春よ。」

《楽しんでるのは、店長だけですよ！笑》

「いいじゃない。変に考えなくても、考えたって無駄なんだから」

《無駄って言われても・・・》

「大丈夫。そのうち気付くから」

《気付くからって・・・・》

気付いていないフリをし続ける事に

気付いてしまったなら

私はきっと戻れない。

・・・・だけど

”もう戻れないところまで来ていた”

なんて、知るはずも無かった。