事務員さんの彼女。２ (ページ29)

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52話ページ29

百は複雑そうな表情で話す。

百「難しいよね。
売れてない時は、見て見て!
もっとこっち見て!って願ってるけど、
こういう風になってきちゃうと、
ありがたいっすなあ、とは
純粋に思えなくなってきちゃうかなあ...」

一「そう言えば、Re:valeさんは
記事を書かれることが多いですよね。
不仲説もそうですが...」

百「うちは事務所が小さいからねー
ネタに困ったらRe:valeは鉄板ですよって
記者さんにも言われた。にゃはは」

三「なんかムカつくなあ、中指立てとこ」

百「こらこら、やめなさい。
三月が変に言われちゃったらやだよ。
今回はボツか、面白記事になるんじゃない?」

慌てて三月を止めた。

一「...ゴシップか。
有名税と言われればそれまでですけど、
二階堂さんも気にしていましたね」

三月が不思議そうに

三「大和さんが...?」

一「はい...
IDOLiSH7のイメージを揺るがすようなネタを
自分が持っていたらどうする、と」

三「...やっぱ、ゴシップなのか。
大和さんはそれを気にしてんのかな...
...っ、だからって、何で隠すんだよ!」

百「そっか、大和も悩んでるんだな...」

_千の家_

千「どうぞ」

大「すみません。
夕飯まで作ってもらって...
てか、相変わらず、野菜しか食わないんすね」

千「うん」

大「レタスサラダと、さつまいもごはんと、
エンドウ豆のポタージュと、
カボチャとエリンギのステーキ...
女子会って感じ」

千「女の子好きだろ。
じゃあ、スタジオにこもってるから。
部屋は好きに使っていいよ」

大「あの...」

千「何?」

大和は言いにくそうに口を何度も動かしている。
その様子を見た千は、

千「人生相談がしたいなら、
テンカウントだけ待ってあげるよ。
10、9、8...」

大「...この人、基本優しいのに
何で全力で神経逆撫でてくんだろ...」

千「タイムリミット」

大「...あんたが、真夏の日に洗車してた時...」

千「...なに?」

大「...いえ...
あんたが言った通り、
俺は初めて、手柄が欲しくなってる。
遠くない日に、俺のことで、
IDOLiSH7にダメージを与えちまう...
その前に、注目度の高いこの映画で成功したい。
IDOLiSH7に貢献したいんです」

千「IDOLiSH7に貢献したい子が
メンバーと揉めて家出するわけないだろ」

思わず無言になる大和。

千「手柄を立ててこいなんて、
君の仲間たちは一言も言ってない。
君の話を聞きたがっただけだ」