幸せの箱庭【あんスタ】 (ページ20)

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幸せ19つページ20

「んあ？Aちゃん、なにしてるん？」

「あっ！みかち！写真撮ってるんだ～！！！！」

「写真？」

近くまで来てしゃがんでくれたみかち。
さっきまで撮っていた空の写真、花の写真、いろんな写真を見せた。

「Aちゃん、写真撮るの上手やなぁ！....でもなんで写真なんか？」

「えっへへ～ん！ありがとう！.....実はね、私、ずっと病院で入院してるお兄ちゃんがいるんだ」

って言えばみかちは心底びっくりしたような表情。
お兄ちゃんは私より一つ年上で、私が8歳の時に入院した。
もう10年間も、あの白い部屋で過ごしてる。

「だからね！！！私！考えたの！お外に出られないお兄ちゃんのために！！！！！私が代わりにお外の写真、いっぱいいっぱい撮って、見せてあげるんだっ！って！！！」

「......Aちゃん、ほんまにええ子やなあ。」

「あっ！！！！ねえ、みか！私、お兄ちゃんに友達こんなにいっぱいできたんだよ！って、写真見せてあげたい！写真、一緒に撮ろう！」

うつむいた顔を上げて、首から下げていたかめらを前に突き出し、今までの空気を晴らすように明るく振る舞った。
いつの間にか。周りにはあいどる科のみんながいて。

「A、写真なら俺が取るぞ～」

「陣ちゃん先生！！」

並んで並んで～！って指示をかけてくれる真。
隣に来て抱きついてくれるすばる。
近くで優しく微笑んでくれてる千秋。
みんなが私に笑顔を向けてくれてる。

「えへへ、嬉しいな！！！！私、今世界でいっっちばん幸せだ！」

「よ～っし！Aのお兄さんのために、キラキラの笑顔を見せるよ☆」

わちゃわちゃしてるけど、あったかい。
そんな夢ノ咲学院あいどる科。
かめらが苦手な真も、笑顔でいてくれてる。

「行くぞ～、ハイ、チーズ」

かしゃ、と音が一つ響いた。

「おおおおおお！！！！！！みんなありがとううううう！！！！！！」

お兄ちゃん、私今すっごい幸せだよ！