検索窓
今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:61,551 hit

51 ページ2

.




横「A、
俺だよ、でてきて?」





コンコンと小さくトイレの扉を叩いたのは

驚かせないための渉の優しさだろう…





ゆっくりと扉を開けて

トイレの外へと出た。






横「A…」



「渉……っ…」






私の姿を見た渉は

悲しそうな切ない顔をしたけど、

すぐに私を優しく抱きしめてくれた。






「渉…っ……私……」



横「何も言わなくていいから…」



「うぅ…っ……」






私はそのまま

渉の胸の中でいっぱい泣いた。






いっぱい泣いて、トイレから離れ

公園のベンチへと座る。




辺りはすっかり真っ暗になっていて

もう誰もいなかった。








横「ちょっとは落ち着いた?」



「うん…ありがとう渉……」



横「……ごめんな、
俺のせいでこんなことに…」



「え?渉のせいじゃ…」






フルフルと首を横に振る渉。


その顔はやっぱり悲しそうで、

悔やんでいる顔だった。






横「俺があのとき、
ちゃんと止めてれば…」



「ち、違うよ!
私が悪いの…私が…バカだから…」






ホント…

今考えると私って大バカだよね。





けど…



それくらい翔希のことが

大好きだったから。





夜寝るときも翔希のこと考えたり

学校行ったら一番に声かけるって決めてたり

他の女の子より可愛い髪型研究したり…




これまでずっと

大好きな人に振り向いてもらえるように

頑張ってきたのに……





あんなに大好きだったのに、

今は心の底から翔希のことが憎い。




これまで一緒に過ごしてきた学校生活とか

一緒に笑ってきた翔希の顔とか



もう全部忘れた。




思い出すのは、

冷たい顔で、冷たい床の上で、

無理やり抱かれたこと。




あんなの

私が好きだった翔希じゃない。







横「A…
とりあえず風邪ひくし帰ろっか?」






うんって頷いて二人で立ち上がった。





渉がそっと私の手を繋ごうと

私に触れた瞬間、

私は渉の手を思い切り振り払った。






「いやっ!!」



横「え…?」





自分でも考えられないくらい

誰かが自分に触れるのが

こんなに敏感になってるなんて…





私はもう、



この先

誰からも愛されることはないのかな?



この先

誰とも触れ合えることができないのかな?








あのときそう感じた。









.

52→←作者より



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (107 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
223人がお気に入り
設定タグ:Kis-My-Ft2 , 二階堂高嗣 , 横尾渉   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

mer(プロフ) - きゅんきゅん♪続きが楽しみです!たかしくん、飲み過ぎてトイレにこもっていた?気持ち悪かったわけじゃないですよね?どうでもよい質問ですね 笑 (2020年3月13日 18時) (レス) id: 6743556bd3 (このIDを非表示/違反報告)
りんこ(プロフ) - あ〜素直になれて良かったね。早く続きが読みたいです! (2020年2月4日 10時) (レス) id: e70020d567 (このIDを非表示/違反報告)
らむ - yuuna様の作品が大好きで、いつも楽しみにしてます。今連載中の赤い糸も、今後の展開がどうなるのかワクワクしています。ファンの一人として応援しておりますので、連載がんばってください。 (2020年1月30日 0時) (レス) id: cae6d0de0b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:yuuna | 作成日時:2020年1月29日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。