BAD LOVER ４

175 ページ29

.




二「あのさ…
その動画消してくれない？」



美「じゃあA店長とは
別れてくれますか？？」



二「それはできない」



美「……じゃあ消しません！」



二「Aと別れる以外の方法で
どうやったら消してくれんの？」



美「……そんなに、
A店長のこと好きなんですか？」



二「うん、好き。
A以外考えらんない」



美「なにそれ…
ずるすぎません…？」



二「Aともし別れて、
美優ちゃんと付き合っても
俺はAのことしか想わないから」



美「……」



二「さっき俺のこと
満たしてくれるって言ったけど、
あれAじゃないと無理だし」



美「…私そういうのは得意なんですけど」



二「あっそ(笑)
けど、試してみたいとか全然思わないわ」



美「…もういいです」






一歩も譲らない俺に

おとなしくなった美優ちゃん




やっと諦めてくれたか？






二「じゃあ動画消してくれる？」



美「それは嫌です」



二「は？まじでいい加減に…」



美「朝まで一緒にいてくれたら考えます！」



二「朝までって…？」



美「何もしなくていいので、
朝まで一緒に居て同じベッドで寝てください！
そしたら動画消すこと考えます！」



二「さすがに同じベッドは…」



美「A店長だけなんですよね？
だったらいいじゃないですか！
私、浮気された悲しい女なんですよ？
今日だけ、一緒に居てくださいよ…」



二「……はぁ。
ほんとに何もしない？
突然 襲ってきたり…」



美「やだな〜！
そんなことするわけないじゃないですか(笑)」





…いや、

こいつならやりかねない……





二「もし何かしたらすぐ帰るから…」



美「わかりました！！
じゃあ私シャワー浴びてきますね！」





そう言って美優ちゃんは

タンスから着替えを持ち出し

風呂場へ向かって行った。




俺まじで泊まっていいのか？


なんかあのコ、

ほんとに危なさそう……





二「はぁ……」





ため息をつきながら

さっきマナーモードにしてた携帯を見る。



数件の着信履歴



ぜんぶAからだった。




すぐにかけ直してみる。







二「あ、A？
悪い、電話でれなくて」



『ううん…』



二「着信いっぱい入ってたけど
なんかあった？」



『高嗣…』





明らかに暗いAの声に

俺の心は痛むばかりだった。







.

176→←174

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す