BAD LOVER

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それから７年


キスマイを応援するようになってから、

大学も真面目に通いだし


卒業してからは

セラピストの資格をとって就職をした。




ニカに会いに行くためなら

先輩にイビられながらする仕事も

頑張ろうって思えたし、


何よりこの仕事が楽しくて

成果が出るたびに前向きになれた。





その結果、

わずか５年という短い期間で

店長という大役を任されることにもなった。




それもこれも全部ニカのおかげ。




あのときニカに会えていなかったら

こんな私は、今ここに

存在しなかったかもしれない。





まぁ、相変わらず

男運だけはないんだけどね(笑)




昔みたいに誰でもいいってわけじゃなくて

ちゃんと好きになった人と付き合ったけど、

浮気されて捨てられたのがほとんど。




私はけっこう周りから

ドライなクールキャラに見られてるらしくて


これまで、そんな私を

好きになってくれる人ばかりと付き合ってきた。



だけど、アイドルの追っかけをしてる…

なんてバレた日にはもう終わり。



次の日には違う女の子といるんだもん。



そのたびに、

しょせんその程度だったんだな、と

改めて思い知らされた。




やっぱりいい年してる女が

アイドルのヲタクなんておかしいのかな？





けど…



忘れられないんだもん、



あの笑顔が……





あの無邪気に笑う、

子供みたいな眩しいくらいの笑顔が……







お客さんの中には芸能人だったり、

どっかの社長だったり…


世間で言う勝組の男の人がたくさん来る。



そんな人に告白されたり誘われたり…



そんなことはしょっちゅうあるけど

もう当分いいかな、って思って

その誘いも、ここ一年くらい全部断ってきた。




アイドルだけど…



遠い存在のアイドルだけど……



今は、ニカがいてくれればそれでいいから。







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客「望月さ〜ん
今日こそは行くよね？」



「今日はちょっと……」



客「この前からそう言ってるよ？
1回くらい付き合ってもよくない？」






いつも来てくれる常連の30代の若手社長




毎回のように飲みに誘われるけど

ずっと断ってきた。




けど、そろそろ行かないとまずいよなぁ……






「わかりました。
飲みに行くだけですからね？」






仕方ないよね。


これも仕事のひとつだって思わなきゃ。






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